ふかふかボリューム2倍アップ加工(光沢増進効果付)について

2023.04.11

ダウンウェアの特徴としてふわふわ・ふかふか感があると思います。
しかし、いざ着ようとしたら去年よりボリュームが減ってる! なんてことはありませんでしょうか?
お気に入りのダウンのボリュームは、ダウンを愛用されている方にとってかなり重要な要素と言えるでしょう。
今回はそんなダウンのボリュームについてご説明していきます。

「ふかふかボリューム2倍アップ加工」後(仕上げ前)のツヤの様子

1.どうしてボリュームが減るのか?

ダウンのボリュームが減ってしまうと暖かさも薄らいでしまい、見た目も良くはありません。しかし、基本的にボリュームはいつの間にか減っているもの。どうしてボリュームが減ってしまうのか、まずはそこから見ていきましょう。

1−1 摩擦・圧迫

着用をすることでどうしても衣類に摩擦や圧迫といった負荷をかけてしまいます。例えば普通に歩いていたとしても腕を振れば袖が擦れて摩擦が起き、座っていれば自分の体と椅子との間で圧迫されます。こういった負荷を繰り返すことによってだんだんとダウンがつぶれてしまい、ボリューム減少に繋がることがあります。

着用していない時でも、ギュウギュウに詰めてクローゼットにしまい込んでいると圧迫によってボリュームが減る可能性があります。

裾部分などは圧迫によるボリュームの減少が起こりやすい

1-2 水分・湿気

正常なダウンは常に毛が開いた状態にあります。毛が開いている状態ということは、その分ボリュームがあり、空気を含んでいるということです。ダウンが水分や湿気を吸ってしまうとその分重くなってしまい、広がっているはずの毛はだんだんと閉じていってしまいます。

そのため、クローゼットから出そうとした時にボリュームが減っていたと感じるのは、クローゼットの中で湿気を吸ってしまっていた、という可能性もあります。もちろん、撥水加工されていない状態で雪や雨の中ダウンを着て歩いても同様の症状が起きる可能性があります。

また、クリーニングから返ってきてボリュームが減っていたケースでも水分・湿気が原因になっていることもあります。純粋に乾燥不足な状態がほとんどだと思われます。

3 羽毛の減少・劣化

ダウン・羽毛は経年劣化によって細くなったり千切れてしまったりします。そのように細く細かくなってしまったダウンは縫い目や生地から出てくるようになります。特に生地から出てくるようになったダウンは中に来ている衣服に付いてしまい、いくら取り除いても次から次へと出てきてしまう……これはダウンを長くご愛用されている方なら心当たりがあるのではないでしょうか。

こうなってしまった場合、既に挙げている摩擦や湿気によるボリューム減少とは根本的に原因が異なりますため、残念ながらクリーニングや加工でお直しすることはできません。もし何か行うとすればまずは生地を開いて中がどうなっているのか一度確認しなくてはなりません。羽毛が細切れになっていることもあれば、ダウンパックの生地が劣化してしまっていることもあります。こういった症状は修理(ダウンの入れ替えやダウンパック生地の補修等)でお直しできる場合がございます。


4 モンクレールの場合はどうなのか?

モンクレークリーニングする上で気になると思われますのが、モンクレールは高価で特殊だから他のメーカーさんとの違いはあるのかという点だと思います。ご存じのようにモンクレールは中の羽毛は最高級のホワイトフェザーを使っており、軽くて温かいという特徴があります。また、中だけでなく外の記事も最高のものを使っているのに変わりありません。
しかし、そんなモンクレールでもダウンのボリュームが減るときは減ってしまいます。特にモンクレールクリーニングする上で感じるのは、最高級の羽毛でも、圧迫されてしまえば、いくら高級なモンクレールの羽毛でもつぶれてしまいます。また、つぶれたモンクレールの羽毛は特殊な処理をしないと元に戻りません。これは他の高級ダウンと同じことです。また、モンクレールの最高級の羽毛でも湿気の多いところで保管するとそれを羽毛が吸収してしまいボリュームダウンになってしまいます。これは最高級のモンクレールの羽毛だから湿気が含まないかというとそんなことはありません。いくらモンクレールでも吸収はしてしまいます。これはモンクレールクリーニングを年間3000着以上こなしているPROSHOP HIRAISHIYAの経験から言えることです。また、モンクレールの最高級の羽毛だからと中のホワイトフェザーが劣化しないかというとそんなことはありません。モンクレールの羽毛は最高級だからこそ、天然なので、天然の物は必ず劣化していきますので、これは致し方ないです。これが、人工のものであれば話は別ですが、もし人工にしてしまうとここまでのモンクレールの温かさはだせません。どちらかをとるかということです。

しかし、そうはいっても、モンクレールクリーニングをして感じるのは、モンクレールは最高の物なので、比較的安価なダウンに比べると断然頑丈にはできておりますので、同じ負荷がかかっても簡単にはダウンのボリュームが減ったりはしないので、安心してください。そして、いいものだからこそ、モンクレールクリーニングした時にふかふかボリューム2倍アップ加工をしていただくと最大限の力を発揮して、効果が表れてくれるということです。

また、もしモンクレールのボリュームが減ってしまったらモンクレールクリーニングをして対応するだけでもまったく違うものになります。モンクレールクリーニングをすることにより、中の羽毛を一度濡らしてボリュームダウンさせて後に、再度乾燥させてふっくらさせるからです。これをすることより一度モンクレールのダウンがクリーニングすることによりリセットされて、再度たたき起こされてボリュームが戻るという効果があります。こちらの加工ももちろんセットで行った方がいいですが、モンクレールクリーニングだけでも一度どのくらい効果があるか見てみるのも手だと思います。

モンクレールをクリーニングするとボリュームは減るのかという問い合わせも来たりしますが、それはありません。もし、そのようなことがモンクレールをクリーニングする上で起こったのなら、それは元々モンクレールをクリーニングする前から中の羽毛が劣化しており、それがクリーニングしたことにより、出てきてボリュームが減ったことによるものです。モンクレールをクリーニングするだけでボリュームが減るということありませんのでご安心ください。


2.ふかふかボリューム2倍アップ加工(光沢増進効果付)

PROSHOP HIRAISHIYAではボリュームが減ってしまったダウンのために「ふかふかボリューム2倍アップ加工」をご用意しております。さっそくどのような加工なのか見てみましょう。

2−1 ふかふかボリューム2倍アップ加工(光沢増進効果付)とは

ふかふかボリューム2倍アップ加工は有料オプションであり、名前からして想像ができるようにボリュームアップ(回復)効果が期待できる加工です。通常のクリーニングではボリュームが減少しているダウンはクリーニングで羽毛を解し、十分な乾燥をすることによって羽毛を立たせることでボリュームを戻すようにしています。しかし、ふかふかボリューム2倍アップ加工では通常使用している柔軟剤の他に特殊な液剤を入れてクリーニングすることによりボリューム回復を図ります。

ふかふかボリューム2倍アップ加工(光沢増進効果付):1,850円(税込)

※2023年4月11日現在の価格です。
※“2倍”とありますが、必ず2倍になると保証できるものではございません。素材や構造によっては効果が出にくいものもございます。
※使用している溶剤は無色、無臭です。

こういった素材の場合は効果が出にくい

2−2 どうしてふかふかになるの?

ふかふかボリューム2倍アップ加工をご選択いただいた場合に使用している特殊な溶剤にはシリコーンという合成物が含まれています。シリコーンには帯電を防止する性能や水をはじく性能、剥がしやすくなるといった性能があります。突き詰めればこれらの性能は「くっつきにくい」という性能に行き着くと言ってもよいでしょう。くっつきにくいということは、固まりにくいということでもあります。せっかくクリーニングと乾燥で解した羽毛も、その後にくっついてしまっては意味がありません。くっつきにくくしておけば羽毛が固まるのを防ぐことができます。また、シリコーンには柔らかくする性能もあり、それらが合わさってふかふかな羽毛にしてくれるのです。

2−3 光沢増進効果って?

こちらもシリコーンの働きの一つである「ツヤが出る」という性能の働きです。クリーニング時に溶剤を入れますため、羽毛だけではなく生地そのものにも効果を与えることができます。特にナイロンやポリエステルのダウンにはツヤがあるものが多く、このツヤの有る無しで仕上がったときの見栄えに大きく影響を与えていると言ってもいいのではないでしょうか。

3.まとめ

ダウンウェアのボリュームは様々な理由で減少する可能性があります。長く使えばそれだけ摩耗していきますし、瞬間的な理由で減ってしまうこともあります。

なんだかボリュームが減った気がする、水に濡れてへたれてしまった等、ボリュームについてお悩みがございましたら、ぜひ一度クリーニングと一緒にふかふかボリューム2倍アップ加工もお試しくださいませ!

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羽毛が出てきてしまう症状について → https://downjacket.pro/blog/2406/