羽毛が出てきてしまう症状について

2022.07.06

ダウンジャケットの表地から羽毛が出てきてしまっている様子

ダウンジャケット・コートを着ていると、中から羽毛が出てきてしまう。そんな症状に悩まされてしませんか? 中に着ている服に羽根がついてしまったり、フワフワと浮いて飛んでいったり。何よりボリュームが無くなってしまうのではないかと気になってしまいますよね。今回はその原因や対処法等についてのご説明です。

1.羽毛が出てきてしまうのはなぜ?

羽毛が出てきてしまう原因は大きく分けて3つございます。

1-1羽毛の劣化

長くご愛用されていると、どうしても中の羽毛も劣化してしまいます。ふわふわ感が無くなり、羽毛そのものが細くなってしまったりします。そういった羽毛が縫い目の穴から出てきている可能性があります。中には縫い目だけではなく、表地の何もないところから出てきてしまっていることもあります。

1-2縫込みが浅い

買ったばかりなのに羽根が出てくる! 弊社にはそんなお声も寄せられます。メーカーによっては縫込みが浅く、新品であっても縫い目から羽毛が出てきてしまうことがあります。

1-3ダウンパック生地の劣化

ダウンには表地のすぐ下に直接羽毛が入っている場合と、ダウンパック(表地から羽毛が出てこないように中にダウンを包んでおくもの)が入っている場合があります。そのダウンパック自体が劣化し、本来の役目を果たせなくなっているため羽毛が表地から出てきてしまっていることもあります。

ダウンパックの生地が劣化し、羽根が出てきてしまっている様子

2.修理方法

羽毛が出てきてしまう場合、その原因ごとに修理方法が異なります。たまに「羽根が出てきてしまうので防水スプレー・撥水加工をしてください」というお声もいただきますが、撥水加工には羽毛の抜けを防ぐ効果はございません。しっかりと原因を見極め、それに合った方法で修理することが大切です。中には表地を開いて内側を見てみないと原因がわからないときもあります。

2-1羽毛の入れ替え

原因が羽毛の劣化によるものであれば、古くなり劣化してしまった羽毛を新品に入れ替えることで原因を取り除けます。※弊社でもこちらの修理を行っておりますが、羽毛の種類は選べませんのでご注意ください。

2-2更に縫込む

原因が縫込みの浅さによるものであれば、縫い目を細かくして縫い直すことで羽根の抜けを軽減できます。

2-3ダウンパックの被せ修理

ダウンパックの劣化は、実際に生地の内側を見てみなければ発見できません。羽毛の劣化だと思い、新品の羽毛と入れ替えるため生地を開いてみたらダウンパックがボロボロになっていた、という事例もございました。こういった場合、ダウンパックから羽毛が出てこないよう、ダウンパックそのものに別の生地を被せて縫い付ける方法で修理が可能です。

まとめ

繰り返しにはなりますが、羽毛が出てきてしまう時にはその原因に合った方法で修理することが大切です。ただ、修理金額等は範囲によって大きく変動がございますため、お見積りを出す際には実際にダウンを送っていただき状態を確認してから正式な金額をお出しするようになります。

場合によっては新しく買った方が安く済むこともあると思います。しかし、思い入れのある大切なダウンを長く着たい、そんなお気持ちの方も多いのではないでしょうか。適切な処置をすることで、その願いは意外と簡単に叶うかもしれません。ダウンについてお悩みがございましたら、お近くの修理屋さん、専門店、もちろん弊社でも、一度相談してみるのはいかがでしょうか?