2025/02/19

ブランド別実例高級ダウン 専用クリーニング

西川ダウン

今回ご紹介するのは「西川ダウン」です。西川ダウンとは、老舗の寝具メーカー「西川」と人気セレクトショップ「ナノ・ユニバース」が手掛けるコラボダウンです。ダウンの特性を理解し多くの支持を集め続けている西川と、ファッションの最先端を行くナノ・ユニバースがタッグを組んだことにより、高い性能性とデザイン性を兼ね備えた新しいダウンが生まれました。常に新しいものが生まれ続ける現代に、高級ブランドダウンに負けない性能を持ちながら控えめな価格設定のダウンは、非常に魅力的に映るのではないでしょうか。老舗寝具メーカーである西川は、創業400年を超える長い歴史の中で培ったダウンのありとあらゆるノウハウをもとに常に製品に反映させてきました。使用されているダウンには強いこだわりがあります。充填されているダウンは、飼育期間を他のダウンの約2倍以上設けているため、体格やダウンボールのサイズにも大きく影響を及ぼしています。早くダウン(羽毛)を確保するため、成長が十分でないダウンを使用することが、業界の中で問題視されている現代、これは重要なポイントです。これに加え西川では独自の技術として「フレッシュアップ加工」を施しています。フレッシュアップ加工というのはダウン選別工程のことを指しています。乾燥や除塵をおこない、よりダウンの性能を高めた状態で羽毛の選別をおこなっています。そのためより性能の高い良質なダウンを選び充填してくことが可能です。より厳格に選別をおこなっていくことで、ダウンの保温力、性能に大きな効果をもたらします。こういった防寒性を徹底的に追及していくと、どうしてもダウン特有のボリュームのあるふっくらとしたシルエットになってしまいます。性能は申し分ありませんが、ファッションの印象としてどうしても野暮ったく感じてしまう為、コーディネートに取り入れるのを躊躇してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしナノ・ユニバースのデザインしたダウンを見てみると、すっきりとまとまっていることがわかるかと思います。特に、今回のように丈の長いダウン(ダウンコート)の場合シルエットが縦に伸びるため、より体のラインに干渉しないシルエットとなりスマートな印象を持つことができます。本日はこの2社の魅力が最大限に詰まったダウンの修理実績について解説をしていきます。今後のメンテナンスの参考にしていただけますと幸いです。

クリーニング実例概要

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本日ご紹介するダウンはの西川ダウンのダウンコートです。モデル名はミリタリースタンドネックダウンジャケットに該当するかと思われます。お客様からいただいておりました内容は、今回ご紹介する修理のほか、クリーニングやしみ抜き、撥水加工などがございました。修理あるいはクリーニングをきっかけに、まとめて様々なメンテナンスをご依頼いただくケースも少なくありません。では早速ダウン本体の状態を見ていきましょう。ダウン特有のもこもことしたイメージからは少し離れた、すっきりとしたデザインです。今回モデルのベースがミリタリーということで、お色味はカーキグリーンとなっておりました。カーキグリーンは、ブラックやネイビーと比べ明るめの色のため秋冬のコーディネートに取り入れやすく、定期的にトレンドカラーとしても話題になるため、ユーザーも多い印象です。さらに細かく確認していくと全体的にシミやよごれが見受けられました。加えてダウン本体と正面下部に取り付けられたポケットの縫合部分にほつれや穴が生じていました。今回の修理はこちらの穴が対象箇所となります。ではここからはより詳しく修理箇所の状況と、原因について解説していきます。
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お預かりしたダウンの修理箇所を見てみると、ポケットの付け根部分が破れてしまっているのがわかるかと思います。ポケットの蓋の部分はボタンで開閉が出来るようになっています。おそらくこの開閉の際に負荷がかかってしまっていたことが、要因の1つであると考えられます。1回1回の開閉自体は大きな負荷がかかることは少ないですが、ダメージの蓄積によって最終的に今回のような破れにつながってしまうことがあります。もう一つ考えられる原因として考えられるのは、ポケットに入れたものの重みによる負荷です。ポケットは構造上どうしても重みによる負荷がかかりやすくなっています。物を入れれば下に力が加わり、生地が引っ張られます。開閉によるダメージに加えこういった負荷がかかることでさらに損傷が進み、破れの範囲が広がってしまうことがあります。今回のダウンのように大きなポケットだと、スマートフォンや財布といった少し大きなものや重みのあるものを入れてしまう場合もあるかと思います。もともとの性能を考えれば、こういったものを入れても問題ないと思いますが、経年劣化が進む中で徐々に耐性が無くなってきてしまっていたのではないかと推測します。
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こちらのお写真は修理が完了したものになります。もともと空いていた穴が小さかったこともあり、修理箇所も小さく済みました。穴が開いてしまった部分を、元々の生地に近いお色味の糸で縫い合わせています。それぞれダウンの色と全く同じ色の糸をご用意しているわけではありません。そのため、ダウン本体の生地の色や縫い糸と修理箇所で色の違いが出てしまうことがございます。今回は幸い、色の差異の少ない糸での修理が可能でしたので、修理後も違和感の少ない仕上がりとなっています。今回のポケットのようにダウン本体に別途取り付け(縫い合わせ)た部分については、ほつれや破れが生じやすくなっています。放っておくとかえって状態が悪化する可能性があるため、損傷に気づいたらできる限り早めに対処する(あるいはメンテナンスを依頼する)必要があります。それぞれ状況に適した修理方法があるので、依頼の際には経験豊富なお店へのご相談を強くおすすめいたします。繰り返しにはなりますが、経年劣化はいかなる場合でも生じます。修理後、継続してポケットはお使いいただくことが可能ですが、今後も同様の症状が起きてしまう可能性があるということに注意が必要です。
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ご紹介したポケットの修理についてですが、今回1つのポケットに対して2か所穴を塞ぐ修理をいたしました。料金についてはお品物を実際に確認してから算出する形となります。また、「1か所あたり〇〇円」というような算出の仕方をするため、修理をおこなう穴の数に応じて金額が加算されていきます。しかし修理方法や穴の場所などによってはまとめて修理が出来たり料金が少し変動したりすることもあるため、今回の件をベースに決まった金額を案内することは難しいです。万が一、お手持ちのダウンについて詳細のお見積りを希望される場合は、ご注文手続き後お品物を弊社までご郵送ください。発送につきましてはヤマト運輸さんへの直接のお持ち込みか集荷サービスをご利用ください。概算金額や修理方法のご案内については無料カウンセリングでもご対応が可能でございます。こちらはお写真の添付が可能なサービスとなっております。そのため気になる箇所を撮影、送信いただくことで店舗でもよりダウンの細かい状態を知ることが出来ます。こちらは弊社からの回答方法を電話もしくはメールのいずれかからお選びいただけます。ぜひ当サービスについてもお気軽にご利用くださいませ。
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