2022/12/05

ブランド別実例高級ダウン 専用クリーニング

デュペチカ

今回ご紹介させていただきますダウンクリーニングの実績は、先日お預かりしたDUVETICA(デュペチカ)のダウンジャケットになります。お預かりしたデュペチカのダウンですが濃いめのカーキ色の色合いが素敵なダウンジャケットですが所々、経年劣化や日焼けで色あせの症状が出ているような状態でした。日本製のダウンには、最近では見られなくなってきた現象なのですが、MONCLER(モンクレールダウン)や今回ご依頼いただいたDUVETICA(デュベティカ)などのダウンでは、保管状態によって緑色の変色が頻繁に確認されています。しかし、日本製のダウンでも、保管状態によって変色が起こりますので、注意が必要です。では、なぜ変色が起こるのかというと、衿周りに付いた皮脂汚れが原因となっています。衿廻りに付いた皮脂汚れがある程度の水分を保有しており、その皮脂汚れの中の水分と空気中の窒素酸化ガスが化学変化を起こし、変色を引き起こします。特にダウンなどのように中に素材が入っている衣服は、生地だけの衣服に比べると、洋服に湿気をためやすい構造になっている為、ビニールカバーなどを掛けたままの状態で保管をしていると、ビニールカバーによって蒸発しない洋服の中の水分が、洋服の生地表面に集まり、その水分とビニールカバーを通り抜けて入ってきた窒素酸化ガスが化学反応を起こし、変色を起こします。クローゼットに保管しているダウンなどは、衿や袖などの部分だけが変色を起こす事例がよく有ります。今回の変色はそこまでひどくはなかったのですが、お客様のご要望で本来のカーキ色から黒への全体染めをご依頼頂きました。ここで注意しなければいけないのは、黒から黒など同じ色への染め直しは比較的に色が入りやすく簡単なのですが劇的に変わる場合には下地の色が出てきてしまうので漆黒にするのは難しくなっています。またモンクレールダウンのセザンヌなどは綿素材が含まれていますが、染めることは可能です。その他、ウールリッチなどの綿とナイロンが合わさったものも染めることは可能ですが、ナイロンの分しか染まりませんので、変色が激しい場合は濃淡が多少目立ってしまいます。全体染めすると生地にはかなりのダメージがかかります。その点はお客様の方でご承知をいただかないといけませんのでカウンセリング等でお問い合わせいただければと思います。今回は全体染めについてご説明していきたいと思います。

クリーニング実例概要

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全体染めに入る前に基本的にウェットクリーニングで汚れを落としていきます。当社の人気メニューであるモンクレールダウンクリーニングと同じ工程でまずは汚れのひどい部分は職人の手作業で前処理をし、当社の強みであるウェットクリーニングで中のダウンも綺麗に洗浄していきます。ウェットクリーニングというのはよく見るドライクリーニングと呼ばれる石油と洗剤を合わせたもので汚れを落とす手法とは違い、水と洗剤のみで洗い上げていく手法です。水と洗剤と聞くと当たり前のように思えますが、チェーン店などの多くの衣類を引き受けるクリーニング店ではまだまだドライクリーニングのほうが一般的です。ドライクリーニングは比較的安全でリスクが少なく、当店でもドライクリーニングもございますので素材によってウェットクリーニングかドライクリーニングにするかを使い分けて仕上げおります。しかし、ドライクリーニングでモンクレールダウンやデュペチカのような高級ダウンをダウンクリーニングで仕上げると表面の汚れは落ちていても中のダウンまではウェットクリーニングほど綺麗にならず、汗の匂いなどが残ってしまったままお客様へお返しすることになってしまうのです。
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衣類表記にはリスクを回避するあまり綺麗にならないようなお手入れ表示が多く見られますが、お客様へ清潔で綺麗な衣類をご提供したい。という思いからPROSHOP HIRAISHIYAではお客様の承諾を得た上で、創業から得意とするウェットクリーニングにこだわって汚れを中から落としていきます。もちろん素材によってはドライクリーニングの場合もございますが、割合としては当社のダウンクリーニングの約95%はウェットクリーニングで仕上げています。ウェットクリーニングを目的に遠方から当社にご依頼頂くことも多くありがたい限りです。さて本題に戻りますが、汚れが付いたまま染めてしまうと染めた際に色ムラが出来てしまうため一度洗浄し、綺麗になったダウンを染めていきます。染め替えですが薄い色ではシミなどが隠すことが出来ないため基本的に元の色より濃い色で染めることになります。今回はお客様のご要望である黒に染めていきます。その時に気になるのはブランドのタグまで染まってしまうのではないかということですが、オプションによりタグや染めたくない部分を本体から外して染めることが可能ですのでご相談ください。外したタグは元の場所へ縫い付け仕上げます。
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お品物の状態やお客様のご要望を元にしたカルテを確認した後、全体染めの作業に入ります。全体染は経験を積んだスタッフのみが担当します。染料は高品質なものを選んで使用しており染め上げた後は通常の使用では落ちないようになっています染料をいれた鍋を85℃に保ちながらダウンを染めていきます。温度管理が大切なので目を離さないように染め上げの工程中は専属のスタッフが対応します。よく染め替えしたあとにダウンのボリュームが少なくならないかとのご質問を頂きますが、ダウンジャケットの場合には極端にボリュームが減ることはないですが、中綿の場合には着用感に違いが出てきてしまうのでおすすめすることが出来ません。また、ダウンジャケットでも染め替えの際には生地にかなりのダメージを与えてしまうため頻繁に染め替えをすることは出来ませんのでご了承ください。85度で染め上げた後、ゾーピングといって余分な染料を落とした後、再度ウェットクリーニングで洗浄します。またダウンジャケットでやダウンコートに多い動物性のファーですが、クリーニングは可能ですが、染め上げることは出来ませんのでご了承下さい。染め上げ直後は色が違ってくるので少し落ち着かせます。
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こちらが最終的に仕上がった全体染めのお品物です。ボリューム感も減ることもなく綺麗に仕上げることが出来ました。下地がカーキ色という濃い目の色から黒へ色を変えるということでしたので比較的、難しい全体染めの内容ではありましたが完成品はいかがでしょうか?今回タグは全て取ってからの全体染めをしたので見た目も新しいダウンジャケットのようです。タグはそのまま染めても良いという場合はオプション料金を頂かずリーズナブルに染め替えが可能です。この後、最終検品をしお客様の元へお戻しするため不織布付きのカバーをしてハンガーまたはダンボールで発送させていただきます。PROSHOP HIRAISHIYAではモンクレールダウンのダウンクリーニングがご講評頂いておりますが、このような全体の染め替えや白化を修復する部分的な染めなどの補修もご相談を承っております。ウェットクリーニングと合わせてお直しができるのも当社の強みだと思っております。お客様の大事な時間の短縮にもなるかと思いますので、お困り事がございましたらぜひ、PROSHOP HIRAISHIYAへお問い合わせください。お客様のご利用をお待ちしております。
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