2023/01/06

ブランド別実例ノースフェイス 専用クリーニング

ノースフェイス

こちらはモンクレールクリーニングに続いてご依頼の多いTHE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)のダウンジャケットになります。今回のご依頼はクリーニングだけではなく全体のお色味の変えたいという事でPROSHOP HIRAISHIYAへご相談がございました。ノースフェイスのダウンはとても人気で今回お預かりしましたダウンの品名はバルトロライドジャケットといってノースフェイスの中でも手に入りにくい人気のシリーズとなります。毎年公式サイトでも抽選になってしまうほどの人気です。かという私も何度も抽選に漏れてしまった苦い経験がござます。またこのベージュ色は毎年、流行色を取り入れた新作が出ており一年ごとに色味が若干違っているのが特徴です。ここ数年はベージュ色などのニュートラルなカラーが人気のように感じました。女性の方にもベージュが人気のため、さらに品薄な印象ですね。もともとは極地探検用として開発されたため保温性には定評がありますし、タウンユースしやすいカジュアルなデザインは若い世代にも人気のブランドですね。ノースフェイスのダウンはブランドオリジナルの素材である「光電子ダウン」を使用していることがひとつの特徴でしょうか。遠赤外線効果がある特殊なセラミックと羽毛をブレンドしており、軽量で保温性が高くボリュームが出るため外気も通しにくくなっています。モンクレールダウンは昔から変わらず正統派なホワイトグースの産毛を使用しているのと比べてノースフェイスは最新のテクノロジーとタックを組んで現代の人たちを虜にしているようなブランドですね。モンクレールクリーニングを多く扱う当社ではモンクレールダウンの全体染め以外にもノースフェイスのダウンも多くの依頼を頂いております。今回のバルトロライドジャケットを黒色に染め替えるご依頼です。他のダウンの染め替えにも共通して言えることですが基本的に元の色味より薄い色に染め替えることは出来ません。逆に言うと元の色より濃い色になります。元の色を打ち消さないといけませんので最初にお客様へご説明をしております。また、一番濃い色が黒だからといって既製品のような真っ黒になるかと聞かれますが結論から言うと真っ黒にはなりません。どうしても元の色の上に色を乗せることになるので元の色によって色の出方が違ってきてしまうのです。この点はご理解頂いた上で全体染めのご依頼をお願い致します。

クリーニング実例概要

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早速お品物を見ていきましょう。こちらはまだ何も手を入れていないお客様からお預かりしたばかりの状態です。バルトロライドジャケット特有のボリューム感とストンとしたストレートのラインが素敵なデザインですね。バルトロライドジャケットに使われている生地ですがサラッとしたナイロン生地なのですが、ここにもノースフェイスのこだわりがあります。表面生地にはハリとコシがある30デニールのWINDSTOPPER 2層構造を使用。防風性はもちろん、耐水性もあり、少量であれば雪や小雨程度の濡れは遮ることが可能なのです。こちらのダウンは染める前に当社が得意とするウェットクリーニングで水洗いをし汚れを取り除いていきます。この作業をせずに染め上げることも物理的には可能ですが、汗や皮脂汚れによる染めムラや撥水コートなどお預かりした段階では判断出来ない場合も多いのでまずはまっさらなきれいな状態に戻してあげていきます。こちらはモンクレールクリーニングの際も同じです。ウェットクリーニングには自信のあるPROSHOP HIRAISHIYAならではのこだわりです。ウェットクリーニングで汚れを落としたら染めの作業に移っていきます。
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染めの工程の紹介に入る前に小話をひとつ。こちらのひじ部分の写真を見ていきましょう。ひじ部分のナイロン生地が擦れて毛羽立ってしまっています。この症状はノースフェイスダウンに多く見られるものです。特にベージュやカーキなどの色味は毛羽立ちが出来やすく目立つように感じます。この症状の原因はおそらくフロント部分についているマジックテープが原因だと思われます。いつもフロント部分を閉めて着用していると出来にくいのですが開けて着る方だとマジックテープに擦れてひじ部分が毛羽立ってしまうのです。毛玉取り機などで表面を撫でると見た目は少し落ち着きますが根本的には直りはしませんので注意です。バルトロライドジャケットの購入を検討中の方は少し参考にしてみて下さい。では、話がそれてしまいましたが本題に戻ります。染める工程に入っていきます。まず、染料の準備をします。PROSHOP HIRAISHIYAで使用している染料は国内産のもので染めたあと変色しにくい日本の気候に合ったものを使用しています。基本的に染め上げた物の色が落ちることはありませんが、保管状況により変わってきますので通気性の良い場所で保管するようにお願いしています。
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ここまでの前処理の工程が終わると染め上げの工程に入っていきます。こちらはモンクレールダウンの際も共通の方法になります。90℃に加熱した染料に20分漬け込み染料をダウンジャケットに染料を定着させていきます。基本的にナイロン製のダウンジャケットは全体染めの得意とする品物ではありますが、素材によっても全体染めが出来ないものや出来てもおすすめが出来ない素材もございます。モンクレールダウンのセザンヌなどは綿素材が含まれていますが、染めることは可能です。その他にもウールリッチなどの綿60%・ナイロン40%のものは染めることは可能ですが、ナイロンの部分のみしか染まりませんので、変色が激しい場合は濃淡が多少残ってしまいます。その都度、熟練の染め職人が素材や状態を見て判断させていただいておりますので、まずは公式サイトまたはお電話にてお問い合わせ下さい。電話口では不安と言う方も現物を見てのお見積もりも行っておりますのでご安心下さい。染め工程が終わると2度目のウェットクリーニングで余分な染料を洗い落としていきます。洗い上がった後には換気の設備が整ったクリーンな場所で自然乾燥し、1日~2日生地を落ち着かせます。
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自然乾燥後に特殊な重りを入れたドラム型乾燥機でダウンの中に空気を入れながら乾燥させていきます。この重りがダウンジャケットがふかふかになる重要なポイントで、適度にダウンジャケットを叩くため空気が羽毛の中へしっかり入りボリュームが出るのです。仕上がったあとは3人ががりでシワを伸ばしながら手アイロンをかけていきます。この作業も手仕上げにこだわるPROSHOP HIRAISHIYAならではの作業です。機械仕上げでは見落としてしまうようなシワも100℃を超える蒸気アイロンで経験豊富なスタッフが隅々まで仕上げていきます。こちらの写真が仕上がったノースフェイスの全体染めになります。ベージュ色からカーキに生まれ変わりました。このように現在お持ちのダウンジャケットを別な色に変えたいといったご相談も数多く受けております。モンクレールクリーニングを主にお受けする当社ではモンクレールダウンのクリーニングから染め替えも当社で行っております。全体染めではなくとも部分染めも人気です。創業75年で培った技術で高級ダウンクリーニングを行っております。お困りの際は、ぜひPROSHOP HIRAISHIYAへご相談下さい。
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