高級ダウンのシミ抜きについて

2021.02.12

1.しみ抜きってどんなものを思い浮かべますか?

シミ抜きといったら皆さんどんなことを思い浮かべますか?顔のシミ抜きですか?それとも衣類ですか?こちらでは高級ダウン・ブランドダウンについてしまった染みについて書いていこうと思います。染みと言っても様々あり、通常の高級ダウンクリーニングで落ちる簡単なものから特殊なシミ抜き処理をしないと治らないものまで様々あります。そのため、こういった染みの種類をわけてご説明したいと思います。PROSHOP HIRAISHIYAでは年間、高級ダウンクリーニングのしみ抜きのご依頼を1500着受けております。年間1500着という数字は皆さん多いと思いますか?それとも少ないとおもいますか?年間6000着以上の高級ダウンクリーニングを行っているとそんな数はあっというまに起きます。まして、高級ダウンクリーニングとセットでしみ抜きを頼まれる方の中には染色も頼まれる方が多く、しみ抜きと行ってもシミを落とすことから色を塗ると言った作業など様々あります。例えば、高級ダウンクリーニングをした後にしみ抜きして、一度色を薄くし、その後色を染めるというふうに色々な方法でしみ抜きって行われます。そのため、しみ抜きといってもシミを落とすだけではないんですよ。

1-1.高級ダウンクリーニングの必要性

高級ダウンのしみ抜きといっても、いきなりしみ抜きに入れるわけではありません。※シミの種類によっていきなり入るものもあります。基本的には高級ダウンクリーニングをしっかりおこない、表面上の汚れを落としてからしみ抜きに入ります。そのため、高級ダウンクリーニング無しでしみ抜きだけ出来るかというご質問がきたりしますが、そういったことは受付が難しくなります。高級ダウンクリーニングをしてからしみ抜きし、その後更にすすぎも兼ねて再度高級ダウンクリーニングを行うというふうにしみ抜きは高級ダウンクリーニングとセットなのです。しみ抜きだけ簡単にできそうだとお思いがちですが、実はそうではないんです。最近のPROSHOP HIRAISHIYAのしみ抜きで起こったのはしみ抜きが始まってから5回高級ダウンクリーニングをしてようやくキレイになったというものもあります。これは実際に行ってみないと高級ダウンクリーニングが何回必要かというのもわかりません。一回でキレイになると思っていたものでも、実は3回やらないと落ちなかったというのもざらにあります。そういった物は実際に行ってみないとわかりませんので、しみ抜きだけ受けてしまうと大変なことになりますし、ましてしっかりしみ抜きで使った特殊成分を高級ダウンクリーニングすることによって洗い流さないといけないという大事な役目まであるんです。そのため、高級ダウンクリーニングとシミ抜きは基本的にセットです。

1-2.どんな高級ダウンのシミは落ちるのか?

どんなものが通常の高級ダウンクリーニングで落ちるのか?どんな染みが通常の高級ダウンクリーニングでは落ちないのかといった話です。経験がない方ですとそういったことがわかりませんものね。これは何十年と高級ダウンクリーニングを行ってきたものにしかわからない経験則などからくるものがあり、仕方がないことです。しかし、知らないからとご自分でシミ抜きをしてしまった失敗して取り返しがつかないということがないようにオネガイシマスね。それではそのへんを踏まえて行っていきましょう。

2.高級ダウン・ブランドダウンについてしまったどんなシミも落とせます

PROSHOP HIRAISHIYAでは特殊しみ抜き依頼が年間1,000着以上あります。その中には高級ダウンだけでなく、ワイシャツやスーツ、中にはバッグや靴までと様々な衣類のしみ抜きを請け負っております。そのため、どんなシミでも落とすという自信があります。高級ダウンでよく起こりがちなシミとしては汗や汚れ等ですが、それは通常の高級ダウンクリーニングで落ちる可能性が高いです。問題なのは、古いシミ、接着剤、血液、ボールペン等の特殊なシミです。これらは通常の高級ダウンクリーニングではまず落ちません。そのため、そういった依頼が当社にたくさん来ます。

2-1.特殊シミぬきについて

特殊シミとは通常の高級ダウンクリーニングでは落ちない特殊なシミのことをいい、それを落とすことを特殊しみ抜き依頼と当社は呼んでいます。そのため、お客様にはどうしても落としてほしいシミに関しては特殊しみ抜きをご選択頂いております。それではどういったシミが特殊シミでどういったシミが通常の高級ダウンクリーニングで落ちるのかわけてご説明いたします。

2-2.高級ダウンについた通常のシミ

高級ダウンクリーニングの通常コースでも落ちるこちらのシミは主に

・一月以内についた汗のシミ

・一月以内についた食べこぼし

・一週間以内についた血液

等があります。これらは通常の高級ダウンクリーニングで落ちることがほとんどです。大事なぽいんとはつけてからどのくらい経ったかです。これが古ければ古いほど落ちなくなります。逆に言うと新しければ多少大変なシミでも落ちる可能性があリます。大変なシミとは特殊なシミということです。

2-3.高級ダウンについた特殊なシミ

こちらは高級ダウンクリーニングではほとんど落ちないといっても過言では有りません。それはどんなシミかといういうと以下をご参照ください。

・ペン(ボールペン・水性インク・油性インク・墨汁)等

こちらはとても大変なシミ抜きの一つです。よくあるのがボールペンが付いてしまったというパターンです。その場合は、通常の綿等の生地についた場合は取りやすいのですが、ダウンの場合は、表面の生地が薄いため、作業的に大変です。あまり力を入れてしまうと破けてしまうおそれがあるんです。そのため、とても気を使って行う必要があります。まして、ボールペンやペン等には中にカーボン製の成分が入っているものがあり、これが入っていると完璧に取るのは難しくなります。よく考えてみると、ペンは落ちないように作られていて、それが衣類につくわけですからかんたんに取れないのは致し方無いと思います。ちなみにプロショップではペンのシミ抜きの除去率は90%です。残り10%はそのかーぼんがはいっているもので、完璧には取れませんでした。また、これは早くとれば落ちるという問題のものではなく、時間がたってもほぼ同じ処理内容になることが多いです。

・接着剤(瞬間接着剤・ボンド)

こちらも大変なシミ抜きの一つです。難しさで行ったらマックスくらいです。ぜそうなのかというと、こちらもペンと同じで取れないように作られているものが衣類につくわけですからかんたんにとれるわけがないんです。そのため、特殊な液でシミを溶かしたり、接着剤を緩ませて、こすって落としたりとすべて手作業になりますので、とても大変な作業になります。こちらも時間が早ければいいというわけではありません。

・ペンキ

こちらもペン同様とても落としにくくなっております。これも当然、落ちないように作られているものの一つですからかんたんにはおちません。主にシンナー等を使って落としていくため、おこなう作業員の健康面も心配になります。そのため、作業的にも大変な作業になります。お願いするときは見積もり等を取られてからのほうが無難です。もしかすると品物より高くなるなんてことも起こりえます。

・古い血液

こちらはタンパク質系の典型的なシミです。こちらは状態によって落としやすかったりします。そのため、状態をみてになりますが、比較的上記のペンキやインク等のものよりは落としやすいと思います。なぜなら、落ちないように作られていないからです。しかし、まれに古い血液が固まって落ちないというのもあります。この古い血液は高温で加熱してあると特に落ちにくいです。原理で言えば、目玉焼きと一緒で、これも血液と同じタンパク質でできており、これは温度をかけることにより固まって目玉焼きになりますが、血液も一緒で温度をかけてしまうと固まって凝固なシミに変化します。そのため、タンパク質系のシミ抜きをする場合は温度をかけないというが大切です。

・古い油汚れ

こちらは比較的おとしやすいものです。新しいものだと高級ダウンクリーニングで落ちてしまうことがありますが、古いものだとかんたんに落ちなくなっていることが多く、高級ダウンクリーニングだけでは落とせないことがあります。その場合は、特殊シミ抜きで落ちることが多いです。上手なクリーニング屋さんであればほとんど落とせると思いますが、まれに漂白も必要になる場合もありますので、そういったレベルになると高級ダウンクリーニングの扱いになれているところでないと難しい場合も多いです。そもそも、高級ダウンクリーニングになれていないと漂白もできないクリーニング店さんが比較的多いです。

・古い食べこぼし

古い食べこぼしのシミは比較的落としやすい部類に入ります。こちらは通常の高級ダウンクリーニングだけで落ちる場合も多いですし、中には上の油汚れと一緒で漂白が必要になる場合もまれにあります。その場合とういのは、ポテトチップス等の油が付いていたりする場合です。人間は意外とポテトチップスを食べたときに汚れた手で衣類でさわって拭いたりするひとがまれにいます。そのため、そういったことを自然にしてしまっているとその部分に油がついてクリーニング跡に浮き出てきたりします。そのため、要注意です。

・サビ

こちらは付いた日数によって落とせるか落とせないか変わってきます。また、付いた生地によっても落とせたり落とせなかったりします。これを落とすのには特殊な液でしかできないため、その液に対しての耐性がない生地ですと変色してしまったり、脱色してしまったりしますので、要注意です。

等です。シミはたくさんあるので、これ以外にもたくさんありますが、ポイントとしては古いか古くないかというところです。この部分が大きく別れてきます。シミは酸化といってシミがついてから時間が経てばたつほどシミと空気中の酸素が結びついて落ちないシミに変わってきてしまいます。そのため、古いシミをつけたままにしておくとほとんど落ちない汚れになってしまいます。全国のクリーニング組合のデータで見ると一月以上経過したシミは9割以上が落ちないシミに変わってくるということです。

2-4.特殊シミ抜きの料金について

特殊シミ抜きの料金といってもピンからキリまであるのが実情です。というのは特殊シミ抜きはすべて手作業のため、シミの種類や面積、付いた生地によってまったくちがうやり方になるからです。そのため、こちらで販売するものならば、ある程度の金額の目安が言えるのですが、そうでないこちらの特殊シミに関してはあまり詳しくいえません。これは実際にみせていただいて、プロの職人が高級ダウンの状態やシミの種類、面積をみて最適な方法を選択し、お客様に初めてお知らせできるからです。そのため、当社に送ってもらう前に写真をみせてもらっても大体になってしまいます。それでも知りたいという方へ今までの多かったシミ抜きの金額を載せていきます。しかし、これはあくまで参考です。

・襟の黄ばみ取りシミ抜き ¥3,000

・袖の汚れ ¥2,000

・ボールペンのシミ ¥5,000

・全体にとにかくキレイにしてほしい ¥15,000

・食べこぼしの古いシミ ¥3,500

といったところでしょうか。参考までにお願いします。実際はみせていただいてからとなります。

2-5.特殊シミ抜きの納期は?

特殊シミ抜きがあるため早く落としてほしいという方もいらっしゃいますよね。そんなときは、お急ぎ便を頼むしか有りません。とはいっても、限度がありますが。そのへんを深くお話していきましょう。特殊なシミはその種類によって納期も変わってきます。たとえば、一度高級ダウンクリーニングして表面の汚れを落としてから次にシミ抜きしたり、最初に高級ダウンクリーニングする前にシミ抜きしないと落ちない汚れだったり、何度も何度もしみ抜きしないと落ちないものと様々です。一回では落ちないシミは乾くのをまって、翌日シミ抜きしなしたり、2週間かけて漬け込んでようやくおとせるシミなど様々なのです。そのため、こちらも高級ダウンのシミ抜き料金と一緒で状態によるとなってしまいます。

2-6.高級ダウンについてしまったシミはどうすればいい?

これはすぐに落とすことが鉄則です。これを放置していると、上にも書いたとおり、落ちないシミに変化して、結果特殊しみ抜き代も取られて高くついてしまうということになってしまいます。これはクリーニング屋の当社にとっても強くおすすめするのは、大変なシミがついてしまったと直感で感じたらすぐに高級ダウンクリーニングをするということをしたほうがいいですよ。そうすれば余計や特殊しみ抜き代もかからなくて良くなりますし。しかし、早くても何でも落ちるということではなく、落ちないものもあります。

時間経過に関係なく落ちない特殊シミ

これはズバリ下記のものです。これらは早くついた遅くついたに関わらず落ちませんので注意が必要です。

・ペンキ

・接着剤系

・サビ

等です。これらは時間の経過に関係なくとても大変なシミ抜きになるため、お気をつけください。

2-7.ダウンのシミで落とせないものもあります

ダウンで何でもシミが落とせるかといったらそうではありません。中にはどうしても落とせないものもあります。例えば、人口で作られたナイロンやポリエステルについてしまった古い謎のシミなどです。たまにこういったものがあり、まれに落ちないものもあります。どんなしみ抜き剤を使ってもびくともしないものが一年に一度あるかといった感じでありますので、こういった場合はどうすることもできません。また、おちないシミというか全体的なものとしてよくあるのが白のダウンの全体的な黄ばみです。

白いダウンの全体的な黄ばみについて

白のダウンは着ていくうちに白から黄ばみを発してきます。これの主な原因は紫外線によるものです。例をだすと、白の車がそうですが、ずっと使い続けるとだんだん黄ばんで来ると思いますが、これも紫外線によるものが大きいです。外に車をおいていれば、紫外線をずっと浴び続けるわけですから白の色から黄ばみに変化してしまいます。これと同じ症状がダウンにも起きます。しかしダウンはずっと外においているわけではないのになぜ黄ばんでしまうかというと、室内でも紫外線を浴び続けているからです。それは例えば、蛍光灯の明かりだったりします。また、黄ばんでしまう原因は紫外線だけではなく、ガスによるものもあります。それは室内の石油ファンヒーター等から発する科学ガスによるものだったり、防虫剤から発するガスだったりと車とは違う影響により黄ばみが起こったりしています。そのため、室内でも安心できないのが白のダウンです。そして、こうなってしまうとお直しすることが不可能になります。白のダウンの黄ばみは経時劣化に依る部分が大きいため、現在の技術ではお直し不可です。この場合は、買いなおしするしかありません。そのため、そうならないようにする工夫が必要です。そのために注意しなければならないのをいかに上げましたので、御覧ください。

白のダウンの黄ばみを防止する方法

1、蛍光灯が当たらない場所に置く

2、石油ファンヒーター等を使う部屋に置かない

3、防虫剤をおいた場所に保管しない

これら3点が主な対策となります。

実は過去にPROSHOP HIRAISHIYAでもこの白のダウンを直せないかと色々実験しました。しかし、白くはできましたが、その代償としてダウンが破損してしまうといったことが起こったため、実用的にはできませんでした。そのため、現在は白のダウンをお直しする方法がございません。お役にたてなくてすいませんが、方法としては予防するしかございません。

2-8.高級ダウンのしみ抜きでも染色することがあります。

これはしみ抜きによくある話ですが、どうしても落ちないシミというのが中にはあります。その場合は、一度生地の色を抜いてまたは変化させて、その後に染色してシミを消すといった技法もあります。この方法でよくPROSHOP HIRAISHIYAで行うのはウール製品です。ウールはしみぬきしても色が消えないで残ることがあるため、一度ギリギリまでしみぬし、その後色を加えて生地の色に近づけてわからなくするといったやり方になります。

2-9.自分で高級ダウンのシミ抜きを行う時使ってはいけない薬品

これはクリーニング屋さんでもためらわれるような薬剤があり、これを使うとプロのクリーニング店でもお直し不能といったことが起こりえますので、そちらだけ載せておきます。

高級ダウンに使っていけない薬品

・塩素系の漂白剤(ハイター・次亜塩素酸ナトリウム等)

・還元漂白剤(ハイドロ・ハイドロサルファイト等)

・酸素系漂白剤+50℃以上の高温※酸素系漂白剤のみで温度をかけなければ大丈夫

これらが危険な薬品です。しかし、使うと効き目はあります。しかし、中の羽毛がだめになる可能性が高いのでおやめください。プロでも使いません。PROSHOP HIRAISHIYAでも実験で上記の薬品を使ったりしますが、結果危険と判断し、使っておりません。また、気づかないうちに上記の液がついて脱色なんてこともよく有ります。それはハイター系(お風呂の掃除で使ったときに気づかずについてしまった)です。これはなにもハイターだけでなくお風呂に使われている洗剤はカビを落とす成分も入っていることが多く、これが脱色の原因になります。そのため、こうなってしまったら染色で治るかなおらないかといった感じになってしまいます。脱色で抜けた生地は染まりにくいということがありますため、染色もうまく染まるときと染まらないときがあります。

3.高級ダウンにシミが付いてしまったら

まずあわてないでクリーニング店にご相談ください。最適な対処法を紹介してくれることでしょう。そのときに知識がなくて適当にしみ抜きをご自分でやらないようにつよく願います。というのは、インク系でよくありがちですが、素人の方がまずやるのは水を使います。これをやってしまうとインク系は汚れ落ちがしづらくなってしまいます。これはインクの油性成分に対して水を使うことによって余計落としづらくしてしまうことがあります。それを知らずに行ってしまう人がなんと多いことか。PROSHOP HIRAISHIYAでも年間10名以上の方がやられてしまいますが、これを行うと余計落ちにくく、しかも跡が残ってしまったりします。そのため、あまりわからないシミに関しはプロのアドバイスを受けるのが一番です。しかし、プロも実際見ないと的確なアドバイスができませんので、一番はプロに実際見てもらい、お見積りを出してもらうことが一番です。ぜひとも快適な高級ダウンライフをお過ごしください。