しみ抜きについて

2022.08.17

『お気に入りの服に食べ物をこぼしてしまった』『気づかないうちにシミがついてしまった』…誰でもこのような経験があると思います。こんな時、慌てずに出来るだけ最小限の汚れでとどめたいですよね。今回はシミの種類や、簡単にできる応急処置についてのご説明です。 

1.シミの種類

シミと一言で言ってもその種類は様々です。染み抜きをする時のポイントとなる、シミの【性質】は大きく分けると3つあります。 まずはそれぞれの性質と例を紹介していきましょう。

1-1 水溶性の汚れ

水に溶ける性質を持っています。例としては、汗・醤油・アルコール・スープなどの飲食物が挙げられます。これらのシミで過去に大変な思いをした方も多いのではないでしょうか。 そのまま放っておくと、糖分やたんぱく質の影響で虫害を招いてしまう可能性もあります。 

1-2 油溶性の汚れ

油(石油系溶剤)に溶ける性質を持っています。例としては、皮脂・食用油・口紅・ファンデーションなどが挙げられます。 ワイシャツやスーツの襟元は特に、皮脂汚れやファンデーションの汚れは気になりますよね。しみ抜きが甘いと、油分だけが残って油じみになってしまうこともあります。 

1-3 不溶性の汚れ

例としては接着剤・ガム・サビ・ボールペン・泥などが挙げられます。 これらは水にも油にも溶けない性質を持っており、とても厄介なシミで、落とし方に悩む方も多いはずです。これらのシミはご家庭での洗濯の際は、こすりすぎて生地を傷めてしまう可能性もあるので注意が必要です。 

2.シミの見分け方

シミがついてからだいぶ時間がたってしまって何のシミか分からない。 

そんな時、簡単に見分ける方法があります。 

2-1 見た目

水溶性のシミは、くっきりと生地とシミの境目ができます。 

油溶性のシミは、縦や横に十字に線が走っているような見た目をしています。生地が透けているように見えることもあります。 

2-2 ぱっと見で分からないとき

分かりにくいときは、霧吹きなどでシミに水をかけてみるとわかりやすくなります。水溶性の汚れは、生地よりシミの色が濃くなります。油溶性であれば、シミの部分だけが水を弾きます。 

このように、水溶性か油溶性かが判別できれば、染み抜きもしやすくなります。 

3.しみ抜きの仕方

外出先で服を汚してしまった。そんな時に役立つ、汚れの種類ごとの応急処置の仕方をご紹介します。しみ抜きは早ければ早いほど落ちやすいです。 

3-1 ゴシゴシ擦らない

水溶性、油溶性にかかわらず、ついてしまったシミは擦らないようにしましょう。まわりに広がってしまったり、衣類によっては風合いが変わってしまう可能性があります。 

3-2 水溶性のシミの応急処置

まずは水、ティッシュ(ハンカチや紙ナプキンでも可)を用意します。 

シミの裏側に乾いたティッシュを当て、表面から湿らせたティッシュで押します。これを数回繰り返し、最後は乾いたティッシュで水分をよくとります。 

3-3 油溶性のシミの応急処置

石鹸(ハンドソープでも可)、ティッシュを用意します。 

まずはティッシュでポンポンと叩いて油分を取り除き、湿らせたティッシュにハンドソープを含ませ、再度シミをたたきます。シミが目立たなくなったら、濡らしたティッシュでハンドソープを落としていきます。この時も擦らずたたきます。最後は乾いたティッシュで水分をよくとります。 

【応急処置をした洋服は帰宅後すぐに洗濯、家庭で洗えないものはクリーニング屋さんに持ち込みましょう。】 

シミ抜き作業の様子

4.まとめ

はじめにも述べましたが、シミの種類は様々。汚れの原因やついた時期などをお客様から聞き取りながら、一着一着の状態にあった方法で染み抜きをしていく。クリーニング屋さんはいわば、【洋服のお医者さん】です。 

前述のような方法で、ご家庭でキレイにしみ抜きができることが一番ですが、難しそうなものはぜひお気軽にご相談ください。