【対策してますか?】ダウンの食害について
2024.10.08
衣類の保管にはトラブルがつきもの。大切にしまっていてもシミが発生したりにおいが生じてしまったりすることがありますよね。こういったものと同じくらい、私たちを悩ませるのが虫食い(食害)です。久しぶりに出したダウンに覚えのない小さい穴が開いていたことはありませんか?
「気づかないうちに何かに引っ掛けちゃったのかも?」そんな風に考えて、そのままにしてはいませんか?実はそのダウン、【食害】にあっているかもしれません。
目次
1.【食害】を引き起こす犯人は?
対策のためには食害の原因が何なのかを知ることが大切です。まずは食害を引き起こす虫たちの種類と習性について解説していきます。
1-1.どんな虫が食害を起こすのか?
日本に存在する食害を起こす虫は主に大きく分けて2種類に分かれており、それが「イガ類」と「カツオブシムシ類」です。さらに細かく分けると全部で4種います。
- イガ(イガ類)
- コイガ(イガ類)
- カツオブシムシ(カツオブシムシ類)
- ヒメマルカツオブシムシ(カツオブシムシ類)
そしてこれらの虫たちが衣類を食べるのは幼虫の期間だけです。それぞれ名前が似ていますが、幼虫の時期も成虫の時期も見た目はだいぶ異なります。それぞれの幼虫は1㎝に満たない大きさで、ヒメマルカツオブシムシは4mmほどの大きさしかありません。
1-2.虫たちの習性について
「イガ」「コイガ」などのイガ類は自然界の中では鶏の巣などに生息しています。成虫になると飛び回ることが出来るようになるので、窓などから室内に侵入する可能性があります。家の中ではホコリのたまりやすい家具の裏などを好みます。
「カツオブシムシ」や「ヒメマルカツオブシムシ」などのカツオブシムシ類は幼虫の間は暗い環境を好みます。しかし成虫になると明るい場所を好み、光を反射する白い衣類などに引き寄せられ産卵します。そのまま外の洗濯物を取り込んでしまう事によって、家の中に持ち込まれる、というケースが多いです。こうして家の中に持ち込まれた虫たちは、収納場所であるクローゼットや衣類本体に卵を産みつけます。
様々な技術が発展・進歩した今、お家の快適性・気密性・断熱性は非常に高く、我々人間がとても住みやすい住環境となっています。しかし、その恩恵を受けているのは虫たちも同じなのです。
1-3.どのような衣類を好むのか?
では、こういった虫たちはどういった衣類を好むかご存じですか?
セーターなどのニット生地を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。主にその認識で間違いはありませんが、そのなかでも非常に好まれやすいものや状況などがあります。
まず一番に挙げられるのが「カシミヤ」「ウール」といった動物性繊維です。こういった繊維は細く柔らかいため、虫が一番食べやすいのです。
そのほか、麻や綿などの植物性繊維はもちろんですが、化学繊維も食害にあう場合があります。化学繊維は食べられにくいというイメージを持たれている方も多いかと思いますが、実は落とし穴があります。虫たちは衣類そのものだけでなく、衣類についた食べこぼしや皮脂汚れもエサにしてしまうのです。ですので、ナイロンなどの化学繊維でできているダウンなども注意が必要なのです。
2.【食害】が発生する原因は?
2-1.虫の発生・増殖
今回挙げた虫たちは幼虫の時はもちろんですが、成虫になっても小さいです。知らず知らずのうちに窓から入ってきてしまっている可能性もありますが、干している洗濯ものについてきてしまう可能性もあります。部屋に取り込む前にきちんと掃うことで部屋に入ってきてしまうリスクを下げることが出来ます。
増殖については、衣類そのものだけでなくホコリや衣類についてしまった汚れも原因となってしまう場合があります。彼らにとっての栄養源となるものを出来るだけ取り除く必要があります。衣類の汚れを放置しないことと防虫剤の活用で対策することが出来ます。セーターなどをはじめとするニット類は繊維の奥まで汚れが入り込んでしまうので、なかなかシミが落ちないケースもあります。こういった汚れは特に注意が必要です。防虫剤は正しい大きさ(量)、期間で使うことが大切です。性能が十分に発揮されるサイズを選びましょう。種類の違う防虫剤を並行しての利用もトラブルのもととなりますので、注意しましょう。
2-2.衣類の保管環境
虫たちは15~25℃で湿度が60%以上になると活動が活発になり、加えて暗い場所を好みます。こういった環境になりやすいのがクローゼットです。クローゼットは扉の下などに若干のスキマがあり、完全に密室というわけではないこともありますが、我々が居住するスペースと比べて圧倒的に空気の循環はしづらいです。基本的に締め切っているという事もありますが、加えて大きな影響を及ぼしているのがその配置です。
クローゼットや押し入れなどの収納スペースというのは、基本的に家・部屋の中でも比較的奥の方に設置されます。窓に近い部分においてしまうと衣類が日焼けしてしまいますし、そもそも日当たりはよく人がとどまるところに確保したいですよね。そのため必然的に収納は日が届きにくく、風の通りにくい部分に置かれます。これにより空気の循環が滞り、虫たちの好む暗い環境が整ってしまうのです。
もともとお家の設計段階で収納用にスペースが設けられていることがほとんどですので、収納場所の変更はなかなか難しいですよね。そのために重要なのが「虫の好む環境を作らない」ことです。内容としては「十分な換気」です。収納スペース内の温度・湿度の上昇は締め切った扉に原因があります。こまめに収納の扉を開け、空気の循環を促すことで対策をすることが出来ます。お部屋の窓・クローゼットの扉を開けて15~30ほど換気を行うことで空気の入れ替えが可能となります。
梅雨入り前後のダウンの保管についてまとめた記事もありますので、ぜひそちらも併せてご覧ください。【記事を読む】
3.【食害】の被害に遭いやすいダウン
3-1.モンクレール/MONCLER
モンクレールはダウンのデザインも非常に豊富で、ウールを使用しているダウンにもいろいろなデザインがあります。ダウン全体がウール製のものや前身ごろだけ、あるいは袖だけにウールが使用されている物もあります。
PROSHOP HIRAISHIYAで最もお預かりする点数の多いブランドがモンクレール(MONCLER)。モンクレールはナイロンのダウンの方が印象強い方も多いかもしれませんが、意外とウール製のダウンのご依頼も多くいただいております。
3-2.タトラス/TATRAS
ドレッシーなシルエットがエレガントで女性からの人気も非常に高いタトラス。落ち着いたツヤのないマットなダウンとともに人気があるのがウール製のダウン。冬にピッタリな温かみのある印象が特徴です。こちらもやはり羊毛ですので、虫が好みやすい傾向にあります。
タトラスはモンクレールと異なり、基本的に全身にウールが使用されている物が主です。目に留まりやすい袖口や首周りはもちろんですが、なかなか普段目を通さない背中や裾なんかも注意が必要ですね。
4.PROSHOP HIRAISHIYAで解決!
4-1.クリーニングで定期的なメンテナンスを
食害を減らす1つの方法として有効なのが、衣類に汚れを残さないこと。食べこぼしなどをそのままにしておくと虫たちの格好のえさ場になってしまいます。しかしそうはいってもなかなかこまめなお手入れがしづらいのがダウンです。
1回のお手入れで出来るだけきれいにしたいですよね。そこでおすすめしたいのがPROSHOP HIRAISHIYAのウェットクリーニングです。調味料や飲み物をこぼした際にできてしまったシミに対して非常に効果的なアプローチが可能です。また、PROSHOP HIRAISHIYAでは無料の簡易染み抜きがクリーニングとセットでご利用いただけるので、その他のシミの除去にも効果が期待できます。
ウェットクリーニングは汗汚れに非常に効果があるので、襟まわりなどを中心に直接肌の触れる部分の汗汚れもすっきり落とします。
クリーニングのタイミングとしては本格的な着用が始まる前と後をオススメしています。着用した後は当然汚れが多く付着している状態ですので、このまま収納してしまうと食害のリスクが高まってしまいます。生地に付着した汚れは時間が経つほど落ちにくくなってしまうので、出来るかぎり着用後は早い段階でのクリーニング店への持ち込みをオススメします。
そして着用前のクリーニングについてです。ダウンは着用する期間よりもクローゼットの中に収納されている時間の方が長いです。そのためもし衣類に何かトラブルが起きていた場合、気付くのはだいぶ時間が経ってからになってしまうのです。
「今日着たかったのに…」
こんな状況を避けるため、シーズン到来前1~2か月前に1度クリーニングすることをオススメします。これはダウンを清潔に維持するという目的もありますが、ダウンの状態のチェックにも有効です。虫食い以外にも、しまったときにはなかったはずのシミが生じていたり、カビが生えてしまっていたりと、数日のお手入れでは修復が難しいトラブルになっている可能性もあります。いざというとき、気持ちよく着られるよう、ベストなタイミングでメンテナンスを行いましょう。
4-2.オプション活用でしっかりガード
PROSHOP HIRAISHIYAでは、通常のクリーニングサービスに加え有料オプションもご用意しております。その中でも今回のテーマである【食害】の対策にピッタリなのが【スーパー防虫加工】です。
こちらのオプションは繊維を食害する「ヒメマルカツオブシムシ」に対してある実験を行っています。それが、虫が好む25℃の環境下に3週間おき、食害は生じるのか、というもの。そして最終的な結果として、期間内での食害がなかったことを確認しています。
また、こちらのオプションは防カビ・抗菌の効果も同時に得られるものとなっています。こちらのオプションは施工後のにおいや見た目や質感に変化がないため、安心してご利用いただけます。
「写真 防虫加工したモンクレールダウン」
5.まとめ
本日は衣類を食べる虫たちによる【食害】についてお話させていただきました。日本で見られる食害の原因となる虫はあまり多くはありませんが、保管の環境によっては虫の数が増えてしまうリスクもある事がわかったのではないでしょうか。
この記事を通してお伝えしたいことは以下の三つです。
- カシミヤやウールなどの動物性繊維は虫たちに好まれる
- シミ、汚れの放置は食害の増進につながる
- PROSHOP HIRAISHIYAならクリーニング・防虫オプションで対策できる
こういったトラブルは、発見したとき焦ってしまい、自分でどうにかできないかと考えてしまいがちですが、状況にあった方法で処理を行わないと、ますます状況が悪化してしまう可能性もあります。専門の知識・技術を持ったクリーニング店に持ち込むことをオススメします。
こちらの記事を読んで、過去の事例についてもご興味をお持ちいただけましたらぜひ、当社の【実績紹介】も併せてご覧ください。こちらのページでは当社で行った様々なクリーニング・修理・染色の事例を公開しております。お手持ちのダウンと似た状態のダウンの事例が見つかるかもしれません。ご参考にしていただけますと幸いです。
PROSHOP HIRAISHIYAでは、モンクレールをはじめとする高級ブランドダウンのクリーニング取り扱い実績が50万着以上あります。それぞれの素材や汚れの特性を踏まえながら最適な方法でクリーニング・染み抜きを行っております。注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、クリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。SNSやホームページにてクリーニング中の様子やクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介なども行っておりますので、ぜひ参考にご覧ください。
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PROSHOP HIRAISHIYAの注文後の流れについて、わかりやすく説明させていただいた動画がこちらになります。是非合わせてご覧ください。
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