【プロが教える】ダウンの劣化・寿命の見極め方

2024.08.19

皆さんこんにちは、【PROSHOP HIRAISHIYA】です。

皆さんのお手持ちのダウンの状態はいかがでしょうか?購入当初と比べて目に見えて変化が起きているダウンもあれば、買いたてでまだまだ新品同様のダウンの方もいるでしょう。衣類は「消耗品」ですので汚れたり傷ついたりするもの。大切に着ていても次第に劣化が進んでしまいます。

では、その劣化の進行はどこで判断をすればよいと思いますか?

本日はこのポイントと、劣化が始まってしまった後の対策についてご紹介していきます。

1.ダウンの劣化の判断はどこでする?

まずはダウンの劣化が始まっていると判断するポイント(目安)について大きく二つの項目と4つの状態、そしてダウンの寿命についてご説明します。

まず1つ目のポイントが、生地の状態です。ダウンなどのアウターは基本外気に触れているので雨風にさらされることも多いです。そのため、どれだけ取り扱いに気を付けていてもダメージは蓄積していきます。目に見える分かりやすい劣化の症状をご紹介します。

①生地の擦り切れ

これは袖口やポケットなど、よく物に触れたり摩擦が生じる箇所に見られます。転倒してしまうなどの大きなダメージでない限り、一度で擦れ跡が生じたり破れたりすることがないため、なかなか意識しにくい部分です。摩擦で徐々に生地が薄くなったりほつれていくことで擦り切れがおこります。

②生地の色落ち(色あせ)

擦り切れ同様、摩擦の生じる部分は色落ちも発生しやすいです。こういった場合は小さい範囲での色落ちが目立ちます。

また、着用時に付着した皮脂汚れや汗などをそのままにした状態で保管してしまうと、汚れが付着した部分だけ生地が傷んでしまう事があります。この傷んだ部分の退色が進むことで色ムラ・色落ちした状態となってしまいます。こういった場合は広範囲にわたって色落ちが発生していることが多いです。そのため全体を見たときの色味に違いが出ますし、状態の印象としてくたびれたようなイメージになってしまいます。また、生地が傷んでいるという事でのちのち擦り切れなどにも影響してくる可能性があります。

続いて2つ目のポイントが、羽毛の状態です。ダウンの性能に大きく影響してくる部分ですので、着用していく中で劣化に気付くことも多いのではないでしょうか。こちらもわかりやすい劣化の症状についてご紹介していきます。

①羽毛のボリュームの減少

空気中の水分や汗、ガスなどを吸ってボリュームが減ってしまっている場合と、羽毛が傷んでしまっている場合があります。前者の場合はクリーニング・乾燥をおこない、汚れを落とし水分を取り除いてあげることでボリュームの回復が見込めますが、後者の場合クリーニングで羽毛の傷みを軽減・修復することは不可能です。

②羽毛の飛び出し・抜け

ダウンの縫製が弱かったり、生地の素材によっては、縫い目あるいは生地の隙間から羽毛が飛び出してきてしまう事があります。特にウールダウンは生地の間から羽毛が飛び出している物をよく見かけます。羽毛が傷んでいると、毛の量が少ないので繊維の間を通りやすくなってしまいます。

また、ダウンの中には羽毛を包む「ダウンパック」というものが使用されているケースがあります。これは羽毛がダウン表地に飛び出さないようにガードする役割があります。表地のナイロン生地とは別の生地でイメージとしては二層構造ということになります。このダウンパックも、着用していく中で劣化していくものです。そのためダウンパックがボロボロになって役割を果たせなくなると、ダウンが飛び出してきてしまうのです。

一般的なダウンの寿命は3~4年ほどといわれています。

ですが、モンクレールやカナダグースなどといった良質なダウンを使用し、丁寧な縫合などが施されているダウンについては5~10年あるいはそれ以上着続けることが可能です。この寿命についてはもともとのダウンの質はもちろんですが、実際に着用してる我々のメンテナンスによって左右されるものといえます。

2.PROSHOP HIRAISHIYAで出来る対策

お手元のダウンの状態と重なる部分はありましたでしょうか?

ここからは、こういった生地・羽毛の劣化に対するPROSHOP HIRAISHIYAでの対策についてご紹介していきます。

当社でお預かりするダウンの生地のほとんどは

  • ナイロン
  • ウール
  • ポリエステル/綿の混紡生地

のいずれかに該当します。このうちナイロンやポリエステルなどの化学繊維(合成繊維)は摩擦に強いのが特徴ですが、長年着用してるとどうしても生地が傷み、擦り切れて穴が開いてしまいます。こういった擦り切れについては、該当箇所を内側に縫い込んだり同じ生地を上から覆いかぶせることで修復を行います。

色落ち(色あせ)については染色で修復を行います。狭い範囲での色落ちであればまわりの色と馴染むよう調色を行い、部分的に染色を行っていきます。広範囲での色落ちの場合は色ムラの発生を防ぐため、ダウン全体を漬け込みで染色していきます。

汚れの吸着や水分の吸収によってボリュームが減ってしまっている場合は、通常のクリーニングと併せてオプションの「ふかふかボリューム2倍アップ加工」をおこなう事でボリュームアップが見込めます。

羽毛が傷んでしまったことによって生じるボリュームの減少は、クリーニングでは修復が出来ないため、羽毛自体を入れ替えて修復する必要があります。

縫製が緩んだりほつれることでダウンが飛び出してしまっている場合は、再度縫い直し修理を行うことで飛び出しを防ぎます。

ダウンパックが劣化して飛び出しが発生している場合はダウンパックの交換を行い、再度縫製を行います。ダウンが傷んで小さくなってしまう事で飛び出してしまっている場合は、ボリューム減少の対策同様、羽毛の入れ替えをご案内することもあります。

3.PROSHOP HIRAISHIYAでの修復事例

こちらは袖口が擦り切れてしまったダウンです。袖口は頻繁にものに触れ、摩擦が生じやすいので当社では似たような修理依頼が非常に多く寄せられます。修理方法としては擦り切れてしまった部分をさらに内側に縫い込むという形になります。画像をよく見比べてみるとAfter(右)の方が縫い込んだ分、若干短くなっていますね。別の生地をあてがったりするわけではないので、違和感のない仕上がりになります。

こちらはダウンの色あせの修復前後の画像です。このダウンは狭い範囲での染色という事で「部分染め」を行っております。擦れやすい袖口や腕の内側だけをピンポイントで染色していきます。もともとの色に合わせて、経験豊富なスタッフが調色・染色を行うことで、しっかりまわりの色になじみます。

ボリュームアップしたモンクレールダウン

こちらはクリーニングと併せて「ふかふかボリューム2倍アップ加工」を施したモンクレールダウンになります。Beforeの方は見た目にハリがなく、なんとなく下に下がっている印象を受けますね。Afterの方を見ると、ダウン全体のボリュームが増え、それぞれのブロックごとに満遍なくダウンがいきわたっていることでシルエットがふっくらしています。

※ダウンのボリュームの出方には個体差があります。ダウンのモデルによって充填量も異なり、ダウンに劣化・損傷が見られる場合には画像のような効果を得られない場合もあります。これらの個体差による効果の差の程度については明言いたしかねます。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

このほかにもさまざまな修理を承っております。過去の修理事例については自社ホームページ内にてご紹介中ですので、是非合わせてご覧ください。

4.まとめ

本日はダウンの劣化を判断するポイントと寿命について、ご紹介させていただきました。素材や着用状況によって劣化の進行には個体差がありますが、いずれも起きうるものになります。万が一これらの症状が出始めてしまっても、ご覧いただいた例のように修復可能な場合もございますので、ぜひ我々、高級ブランドダウンクリーニング専門店 PROSHOP HIRAISHIYAにご相談ください。

この記事を通してお伝えしたいことは以下の三つです。

  • 劣化は「生地」「羽毛」の状態で判断
  • 適切な対策・処置で長く使うことが出来る
  • PROSHOP HIRAISHIYAなら実績多数

PROSHOP HIRAISHIYAでは、モンクレールをはじめとする高級ブランドダウンのクリーニング取り扱い実績が50万着以上あります。それぞれの素材や汚れの特性を踏まえながら最適な方法でクリーニング・染み抜きを行っております。注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、クリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。SNSやホームページにてクリーニング中の様子やクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介なども行っておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

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また、多くのお客様にネット注文をご利用いただいております。ご自宅でスマホやパソコンから必要な情報をご入力いただきますと、注文完了となります。集荷日時をご指定いただければ、ヤマト運輸さんが、梱包用の段ボールを持参してお客様のご自宅まで引き取りに伺います。当社到着後、作業中の進捗状況等はメールにて都度ご案内させていただいております。また、仕上がり後のダウンもヤマト運輸さんより配送されます。ご自宅で注文から受け取りまでの一連の作業が完結できるシステムとなっております。

注文後の流れについて、わかりやすく説明させていただいた動画がこちらになります。是非合わせてご覧ください。

【YouTube】注文から納品までの流れ

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