【プロの技】モンクレールダウンのシミ抜き

2024.04.22

皆さんこんにちは、【PROSHOP HIRAISHIYA】です。当ブログではダウンクリーニングに関する様々なテーマで、役立つ情報やタメになる情報を発信しています。本日は、誰もが悩んだことのある、ダウンの【シミ抜き】をテーマにお話しさせていただきます。

これまで当社でお預かりしたモンクレールダウンのシミ抜きの画像などもお見せしながら、具体的な作業工程についてもご紹介させていただきますので、ぜひご覧ください。

1.落ちにくいシミ その原因はなに?

シミによって、洗っても落ちないものや簡単に落ちるものなど、様々ですよね。ダウンに限らずですが、シャツなどでも「カレーのシミ」や「油シミ」は落ちにくいですよね。こういった、汚れの落ち具合の違いはなぜ生じるのでしょうか。それぞれの汚れの特徴についてご説明していきます。

「汗ジミ」「油じみ」「泥」「インク」などの汚れを総じて「シミ」と呼びますが、含まれている成分や特徴はバラバラです。こういった特徴の違いが、汚れの落ちやすさに影響しています。汚れの種類や例は以下のとおりとなります。

  • 水溶性のシミ:「コーヒー」「醤油」「汗」など
  • 油溶性のシミ:「ファンデーション」「チョコレート」「油」など
  • 不溶性のシミ:「泥」「スス」など

それぞれの汚れは、「水溶性」「油溶性」と読んで字のごとく水に溶けやすい汚れ、油に溶けやすい汚れ、というような特徴があります。ご家庭での洗濯は当然ですが、「水洗い」になります。そのため、例に挙げたような醬油によるシミなどは通常の洗濯、洗濯機にかける前の予備洗いできれいになることが多いです。反対にファンデーションなどの油溶性のシミはなかなか落ちにくい、という事になります。こういった汚れはクリーニング店で行うドライクリーニングが効果的です。これは油性の揮発性有機溶剤を使用している為です。

不溶性のシミは、「水溶性」「油溶性」どちらにも属さない汚れのため、非常に落としにくいものになります。よく家庭でのシミ抜きの際にオススメされている台所用洗剤やクレンジングオイルでは太刀打ちできないことが多いです。無理に洗おうとして水洗いをしてしまうと、繊維に汚れが入り込んでしまうのでかえって大変なことになってしまいます。

と、このように汚れには種類があるという事をご説明させていただきましたが、実際のシミはもっと複雑なため、例のようにきれいに分けることは難しいです。特に食べこぼしのシミは注意が必要となります。例として「カレー」を挙げますが、カレーは「水溶性」「油溶性」そして「香辛料」が混ざり合ったシミなのです。

  • 水溶性:野菜の水分
  • 油溶性:肉の脂、野菜を炒める際の油
  • 香辛料:ターメリック

異なる特徴を持つカレーは、シミの落としにくさも段違い。ターメリックに含まれるクルクミン色素は衣類を染めてしまうのです。

しかし、クリーニング店でご相談いただくシミはこれだけではありません。「インク」「血液」「嘔吐物」のような、通常のクリーニングでは落としきるのが困難なものもございます。こういった特殊なシミは『基本的には』クリーニングに出すことはできません。「血液」「嘔吐物」が付着した衣類についてはとくに、衛生面の観点から取り扱いについてはきちんとクリーニング業法で定められており、それに準じた店舗でしか取り扱うことが出来ないことになっています。「伝染性の疾病の病原体による汚染のおそれのあるもの」は洗うことが出来ません。当社でのダウンクリーニングも例外ではありません。

また、こういった汚れは繰り返し洗ったりシミ抜きの作業が必要となりますが、ダウンはとてもデリケートな衣類の為、慎重に扱う必要があります。併せて作業に時間がかかるため、特殊な染み抜きだけでなく、ダウンクリーニング自体を取り扱い自体を行わないクリーニング店も多くあります。

2.PROSHOP HIRAISHIYAのシミ抜き

ここからは私たちPROSHOP HIRAISHIYAのシミ抜きについて、ご紹介させていただきます。現在、シミ抜きについて相談・注文を検討されている方にぜひ見ていただきたい内容となっております。

当社のホームページ内では、シミ抜きは¥3,300~という形で表記をさせていただいております。これは汚れの種類や範囲によって料金が前後するためです。熟練のスタッフがダウンの状態を実際に目で確かめ、汚れの種類や工程を把握・確認したうえで料金を算出します。お客様に見積書をご提示し、了承いただきましたら作業に入ります。当社では「シミ抜きのみ」のご注文は受け付けていない為、クリーニングとシミ抜きはセットでのご注文となります。

シミ抜きの料金表

ご注文フォームに、オプションの追加を行う箇所がございますので、忘れず「シミ抜き」の追加を行ってください。この時、シミ抜きを行う箇所の選択も行っていただくのですが、併せて下記の画像のように【ご要望の詳細記入欄】にて、シミの種類やいつ頃付いてしまったものなのか明記いただけると、汚れの種類が特定でき、ご案内が非常にスムーズです。

シミ抜きの注文の例

汚れの種類を見極めながら、特徴に合わせた溶剤を使用してシミ抜きを行っていきます。ブラシでこすったり、お湯に溶かした溶剤を使ったり、時には水と一緒に超音波が出る機械を使いながら作業をおこなっていきます。強い勢いで水が出るので、生地の状態を見ながら慎重に進めていきます。

様々な方法で作業をおこないますが、一度や二度の作業では汚れが落ち切らないこともしばしば。生地や汚れの状態によっては繊維の深くまで汚れがしみこんでしまっていることもあります。こういった場合は、繰り返し地道に作業をおこなっていきます。汚れに効果抜群な溶剤であっても、ダウンの素材と相性が悪かったりすると使用が出来ないこともあります。その場合は別の溶剤を使ったり、方法を変えたりしながらベストな方法でシミにアプローチしていきます。

PROSHOP HIRAISHIYAでは1点1点、ダウンとしっかり向き合い、お客様に満足いただける仕上りを目指し、作業にあたっています。

3.モンクレールダウン シミ抜き事例

ここからは、実際に当社で行ったシミ抜きの事例をご紹介させていただきます。ダウンクリーニング同様、モンクレールダウンのシミ抜きは非常に多くご依頼いただいております。今回も、モンクレールダウンをサンプルとしてご覧いただきます。

こちらは油汚れによるシミです。袖口は様々なものに触れるため、気付かないうちに大きなシミになってしまっていることも多々あります。

モンクレール シミ抜きビフォーアフター

こういった汚れの場合は、油性の汚れに効果のある洗剤を使用します。ほかの汚れも混ざっていてシミが落ち切らない場合は、水性の汚れに効果のある溶剤も使っていきます。もしそれでも 落ちない場合は過炭酸(酸素系漂白)を使用し、丁寧に落としていきます。

シミの種類についてのお話の中でも触れましたが、油汚れにはドライクリーニングが効果的ですので、こういった専用の溶剤を用いて処理を行った後、ドライクリーニングを行います。汗などの汚れを落とすにはウェットクリーニングが効果的ですので、こちらも行っていきます。シミの種類によっては両方行う、という事になりますね。この作業の順番はその都度状況により変わります。

白いモンクレールダウンについた「ピンク色のシミ」。こちら、実は衣類用の消臭スプレーが原因で発生してしまったものでした。モンクレールダウンなどの高級ダウンは、家庭でのお手入れや洗濯が難しいのでなかなか洗えません。お手軽なので、ついつい消臭スプレーに頼りたくなってしまいますよね。

こういったシミはダウンに限らず、シャツなどでも起こる可能性があります。これはもともと服に付着していた汚れとスプレーの成分が反応してしまったことによって生じています。塩素系の漂白剤を使って汚れを落とそうとすると反応してピンク色になってしまう事もあります。この時、変色してしまったからといってさらに強い塩素を使って洗うと、塩素やけにより衣類が黄ばんでしまい悪循環になってしまいます。

モンクレール シミ抜きビフォーアフター

こちらのモンクレールダウンも、先ほどの油シミ同様、油性の汚れに効果のある洗剤を使用したのち、ほかの汚れも混ざっていてシミが落ち切らない場合は、水性の汚れに効果のある溶剤も使用します。それでも 落ちない場合は過炭酸(酸素系漂白)で丁寧に落としていきます。

先ほどの油シミと異なるのが、「汚れが反応しあって色が発生してしまっている」という点です。こういった場合はもともとの汚れを取り除くのと併せて、専用の色抜き剤を使用する必要があります。色を抜くと聞くと「生地の脱色・漂白」をイメージするかと思いますが、それとは若干ニュアンスが異なり、後から発生した色(ここではピンク)だけを取り除く、というようなイメージになります。こういった状態は、素材によっては非常に落ちにくいこともあります。

シミ抜きのオプションにつきましては、シミ抜き→洗う→シミ抜きと何度か作業を繰り返すため、仕上がりまでお時間をいただく可能性があります。こちらのオプションは、汚れの種類によって工程や作業時間も変わってきてしまうため、作業日数について明確な日にちのご案内は致しかねます。また、シミ抜きオプションをご注文いただきましたお品物は、当社でご用意している「特急コース(14営業日以内に仕上げ発送」の対象外となりますのでご注文の際はご注意ください。

4.まとめ

本日はシミ抜きについてご紹介させていただきました。衣類トラブルの中でも比較的多く発生してしまう「シミ」。皮脂汚れや化粧汚れは非常に多くのご相談が寄せられるので、似たような状態でお悩みの方も多いのではないでしょうか。「頑固なシミが落ちない」、「他店でクリーニングを断られてしまった」という方はぜひ、PROSHOP HIRAISHIYAにご相談ください。

この記事を通してお伝えしたいことは以下の三つです。

  • シミには含まれている成分によって種類がある
  • シミの種類によっては対応が出来ないお店もある
  • PROSHOP HIRAISHIYAなら様々な種類の染み抜きに対応可能

PROSHOP HIRAISHIYAでは、モンクレールをはじめとする高級ブランドダウンのクリーニング取り扱い実績が50万着以上あります。それぞれの素材や汚れの特性を踏まえながら最適な方法でクリーニング・シミ抜きを行っております。注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、クリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。SNSやホームページにてクリーニング中の様子やダウンクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介なども行っておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

また、多くのお客様にネット注文をご利用いただいております。ご自宅でスマホやパソコンから必要な情報をご入力いただきますと、注文完了となります。集荷日時をご指定いただければ、ヤマト運輸さんが、梱包用の段ボールを持参してお客様のご自宅まで引き取りに伺います。当社到着後、作業中の進捗状況等はメールにて都度ご案内させていただいております。また、仕上がり後のダウンもヤマト運輸さんより配送されます。ご自宅で注文から受け取りまでの一連の作業が完結できるシステムとなっております。

注文後の流れについて、わかりやすく説明させていただいた動画がこちらになります。是非合わせてご覧ください。

【YouTube】注文から納品までの流れ

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