ダウンと花粉対策

2024.01.25

春先に近づくにつれて猛威を振るい始める「花粉」。ニュースでも大々的に取り上げられ、杉の木から花粉が飛んでいる様子をテレビ越しに見るだけでも目がかゆくなってくる気がしますね。当社の中にも花粉症に悩まされているスタッフがおりますし、まわりでも花粉症で辛いという人が増えてきているように思います。

今回は、花粉のピークや花粉症対策と併せながらダウンの特徴、そしてダウンクリーニングについてご紹介させていただきます。

1.「花粉症」に悩まされる人が増加

ニュースでも取り上げられましたが、近年花粉症に悩まされる人が増加しており、総理大臣官邸では花粉症に関する関係閣僚会議が開かれるほどの問題となっています。ここ最近発症された方も多いのではないでしょうか。ではこの現象にはどういった背景があるのか、花粉のピークはいつなのか、についてご説明していきます。

鼻アレルギーの全国調査は今現在まで約10年おきに行われているのですが、1998年→2008年→2019年の3回を比較すると花粉症の有症率はおよそ10%ずつ増加傾向にあるようで、現在では3人に1人が花粉症と言われています。ではなぜ、こんなにも花粉症に悩む人が増加しているのでしょうか。

そこには開花の適齢期や地球温暖化が影響しているようです。現在の日本は、地球温暖化による影響で夏の気温が非常に高くなっています。今年は「過去126年で一暑い夏」となり今年6~8月の平均気温は平年よりも1.76度高かったそうです。こういった気温の上昇がスギの生育に適した環境となり、翌年の春に大量の花粉が飛散する、というのが1つの要因です。併せて通年の気温が上がっている為、開花時期も早まります。そのため、花粉が飛散する期間も延びていきます。

よく、花粉症発症までのメカニズムをコップから水があふれる様子にたとえられますね。現在の日本はいうなればずっと水を注がれ続けている状態の為、今までコップに溜まっていない状態だった人もキャパシティを超えてしまう状態になっているようです。

実は花粉は地方によっては1月から飛散し始めています。そこから徐々に飛散量が増えていきます。スギやヒノキは2~4月の約2か月間にピークを迎えます。その後を追うようにしてイネ花粉も飛散し始めるため、5月ごろまでは花粉に悩まされることになります。

2.衣類と花粉のかかわり

花粉症対策は外出時もですが、帰宅してからもお部屋に「持ち込まない」ことが重要です。この時着用している衣類が実は「持ち込まない」に影響しているのです。

一般的にウール素材の衣類は綿素材の衣類と比較して花粉が付着しやすいとされており、その差は何と綿素材のおよそ10倍といわれています。また、同じウール素材でも3Dニットなどの凹凸が大きいデザインは特に付着しやすい傾向にあるようです。というのもウール素材は繊維の特性上、花粉が隙間に入り込んだりしてしまうと取りにくくなってしまうのです。また、花粉は静電気が発生する場所に付着しやすい傾向があるため、ウール素材の衣類は花粉の付着にうってつけの場所となってしまうのです。

冬は暖かくてデザイン性にも優れたニットセーターやウールコートが活躍する季節ですが、こういった衣類は花粉をお部屋まで持ち込んでしまう可能性があるため、着用の際は注意が必要ですね。

花粉を持ち込まないという観点では、アウターは「繊維に絡まない」「凹凸の少ない」素材がおすすめです。主にナイロンやポリエステルなどの化学繊維が挙げられます。こういった表面がツルツルした衣類は付着率が低く、仮に付着していたとしても玄関先で払い落すことが出来ます。また、近年では東レ「アンチポラン®」、帝人フロンティア「ポランバリア®」のような花粉付着抑制素材を使ったアウターも登場し多くの支持を集めています。

3.花粉が付着したときの対応と付着させない為の方法

ここでは当社でお預かりしたモンクレールダウンを例に、ダウンクリーニングや当社のオプションについてご紹介させていただきます。

外出から帰ったら、家に入る前に花粉を落とす。というのは大前提ですが、お部屋のお掃除同様に上(頭)から順に払っていくのがポイントです。アウターを払うときはバサバサと強く振らないようにしましょう。付着していた花粉が舞ってしまうのを防ぐためです。また、払い落とすだけでなくしっかり水を絞ったタオルでダウンの表面を拭き上げると残っていた花粉もしっかり取り除くことが出来ます。家の中に入ったらアウターは玄関にかけ、花粉が入る場所を最小限にとどめましょう。ダウンはツルツルした素材だし、そこまで神経質にならなくても大丈夫では?と思うかもしれませんが、花粉を室内まで持ち込む原因はそれだけではありません。髪の毛や顔にも花粉が付着しているので、リビングや自室に向かう前にお風呂に入るのも花粉対策には効果的です。少し手間ではありますが、玄関先でとどめるというのが花粉対策の中で非常に重要となります。

前述した通り、ダウンのほとんどがナイロン製で花粉も付着しにくいものです。しかし、昨今のダウンは複数の素材を使用したデザインも多く登場しています。高級ブランドを代表するモンクレールでも、「ナイロン×ウール」のダウンが販売されており、デザインも様々です。以下の画像はすべてモンクレールダウンですが、それぞれウールが使用されている箇所が異なります。

ウール素材やダウンジャンパーはデリケートな素材の為、我々クリーニング店も細心の注意を払って作業を行っております。万が一花粉がついてしまった場合でも、ご家庭での洗濯はあまり好ましくありません。誤った方法で洗ってしまうと縮んでしまったりボリュームが減ってしまう恐れがあるためです。実際に、ご自宅で洗濯してボリュームが減ってしまったというお客様からご相談をいただくこともございます。

セルフメンテナンスで中の羽毛が傷んでしまった場合、改めてクリーニングを施しても思うようなボリューム感に仕上がらないことがあります。これは繰り返しの洗濯や乾燥時の温度設定などのダメージが原因で羽毛がちぎれてしまっていたりするためです。こうなってしまうとどれだけ丁寧にクリーニングを行ってもボリュームの回復には限界があります。ですので、ダウンメンテナンスはご自宅ではなく、クリーニング店でのメンテナンスがおすすめです。また、お店によってはモンクレールなどの高級ダウンクリーニングのお取り扱い経験がなく不慣れなお店もありますので、当社のような「高級ダウンクリーニング専門店」への依頼が望ましいです。

当社で多数ご用意しているオプションの中で一番人気を誇る「超撥水ウルトラ加工3α」。クリーニングと併せて非常に多くのお客様からご注文いただいております。こちらのオプションは水を弾くのはもちろん、汚れそして花粉からも守ってくれます。撥水加工液を付与したのち熱加工を施し、ダウン全体をコーティングするのですが、こちらのコーティングが繊維の奥まで花粉が入ることを防いでくれるので、花粉症対策にもおすすめです。

そして今回登場したのが「超撥水ウルトラ加工3α 【オンリー】」です。今までのオプションは、「クリーニング必須」となっておりましたが、お客様からの声を受け「クリーニング無し」での受付も開始する運びとなりました。すでにこちらのオプションを付与してのご注文もいただいております。当社のホームページにて内容や料金について記載がございますので併せてご確認ください。

従来の撥水加工オプションとは別項目となります。

そしてもう1つ新たに登場したのが花粉を防ぐのに特化したオプション「花粉4バリア」です。こちらのオプションは、衣類の表面にあらゆる花粉に効果のある花粉付着防止加工を加え防止します。未加工の衣類と比較して約4倍の防止効果があり、こちらのオプションは施工後もダウンの見た目に影響はございませんので、安心してご利用いただけます。

4.まとめ

本日は花粉症にフォーカスをあてながら、衣類との関係や当社のダウンクリーニング、そしてオプションについてご紹介させていただきました。素材ごとの特徴や対策方法をうまく活用しながら辛い花粉の季節を乗り切りたいですね。

当社では、モンクレールをはじめとする高級ブランドダウンのクリーニング取り扱い実績が10万着以上あります。それぞれの素材や汚れの特性を踏まえながら最適な方法でクリーニング・染み抜きを行っております。注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、クリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。SNSやホームページにてクリーニング中の様子やクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介なども行っておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

また、多くのお客様にネット注文をご利用いただいております。ご自宅でスマホやパソコンから必要な情報をご入力いただきますと、注文完了となります。集荷日時をご指定頂ければ、ヤマト運輸さんが、梱包用の段ボールを持参してお客様のご自宅まで引き取りに伺います。当社到着後、作業中の進捗状況等はメールにて都度ご案内させていただいております。また、仕上がり後のダウンはヤマト運輸さんより配送されます。ご自宅で注文から受け取りまでの一連の作業が完結できるシステムとなっております。

専用オペレーターが丁寧にご説明、回答させていただきます。

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