スナップボタン交換について

2023.11.21

今回はスナップボタンの交換修理についてご紹介させていただきます。

服に対しての面積で言えば占める割合は少ないですが、スナップボタンが担っている役割は非常に重要なものです。スナップボタンが閉じられなくなれば防寒面でもかなりの支障がありますし、緩くなって直ぐに外れるようになってもストレスになりますよね。

スナップボタンは交換可能なパーツです。閉まらなくなってしまった、なんとなく閉まりが悪いなど、気になっていることもあるかと思われます。そんなときは交換することで解決する場合がほとんどです。


1.スナップボタンとは

スナップボタンとは、ボタン穴を必要としない押し合わせて留めるタイプのボタンのことを指します。
イギリスで発明されヨーロッパに普及し、アメリカの独立戦争によって様々な種類が誕生しました。日本では明治初期の陸軍・海軍の制服に使用されたのが初めてで、その後生活様式やファッションの変化とともに広く普及していきました。


1-1 スナップボタンの種類

スナップボタンにも様々な種類があります。表面に見える形や中のバネ構造もメーカーによって異なっています。使用する部位や生地によっても使い分けされている印象を受けますね。


1-2 高級ダウンに使われるスナップボタン

高級ダウンウェアに使用されているスナップボタンはそのほとんどが金属です。PROSHOP HIRAISHIYAでお預かりするダウンウェアも、プラスチックのものはあまり見かけません。ただ、表面に見える円形の部分だけは樹脂が使用されていたり、レザーが使用されていたりすることもありますね。
多くの場合はブランド名が刻印されており、ブランドオリジナルのスナップボタンが作られていることがわかります。


2.モンクレールのスナップボタン

高級ダウンブランドの代表格であるモンクレール。そのモンクレールのダウンウェアにもスナップボタンは使われています。


2-1 モンクレールに使われるスナップボタン

モンクレールのダウンウェアに使用されるスナップボタンも金属製です。表面は塗装でコーティングされており「MONCLER」の文字が刻印されています。
また、新品購入時にはスナップボタンが損傷した場合に付け替えることのできるスナップボタンのパーツが入っています。もちろんそのパーツにもモンクレールの文字が刻印されています。裏地についている小さなポケットの中に、これまた小さな透明の袋に入った状態であることが多いです。周りはフワフワなダウンですので違和を感じて気が付く方もいれば、むしろフワフワすぎてボタンの存在に気が付かずそのままになっている方もいるかもしれませんね。
前身頃を閉じるフロント部分のスナップボタンと袖口を留めるスナップボタンは大きさが異なっていることが多いです。モンクレールダウンにはもちろん袖口の交換用スナップボタンもついていますので、万が一破損してしまったとしても安心ですね!

ダウンウェアのスナップボタンはをの生地に合わせて色も変えられており、特にモンクレールダウンに関していえばその生地に対してスナップボタンが浮かないようになっていることが多いように伺えます。
もちろん、中には塗装されず金属がむき出しになっているタイプもあります。これはこれでガラッと印象が違って見えますね。


2-2 モンクレールの刻印

モンクレールダウンのスナップボタンには「MONCLER」の文字が刻印されています。写真を文字で円を描くように配置されているのがわかりますね。

こちらは塗装の下にある金属部分に刻印が施してあり、上から顔料の一種を使用して塗装してあるものと思われます。


3.スナップボタンの交換

さて、ここまではスナップボタンそのものについて記載させていただきましたが、スナップボタンはその素材上周りの生地やダウンとは異なり硬質なものです。硬質であるということはそれだけクッション性がないということでもあり、それ故に他のものと擦れたりぶつかったりして傷が付きやすいこともあります。

ボタン中央が擦れて塗装が剥がれ、中の金属が見え始めている様子/モンクレール

全く気にならない方もいれば、少しでも傷があったら気になるという方もいるでしょう。こういった傷は着用状況や経年劣化で起こりえますため、ある程度は仕方のないことという心構えをしておくのがお勧めです。(もちろんご希望であれば交換も承っています!)

しかし、中には強い衝撃や圧がかかることによってボタンそのものがひしゃげてしまったり、取れてしまったり、周りの生地が負けて破れてしまったりすることもあります。そういった場合にはまずスナップボタンが閉じなくなっていると思いますので、修理・交換が必要です。


3-1 再利用できない?

スナップボタンが使用できなくなってしまった場合、交換でしか直せない場合がほとんどです。非常に残念なことに、スナップボタンの構造上、一度取り外すと再利用ができなくなってしまうのです。


3-2 代替品の利用

再利用ができないため、スナップボタンを交換する場合は代替品を使用します。代替品はできる限りに元の形状・色に近いものをお探しして取り付けております。しかし、あくまで代替品ですので元のスナップボタンに刻印やブランドロゴなどがある場合、それの再現はできません。この点につきましては予めご了承いただくようお願いしております。

ただのボタン(ボタンホールが必要なタイプ)であれば、目立たない部分のものを持ってきて目立たない箇所に代替品を付けるということも可能なのですが、再利用ができないスナップボタンの場合それも不可能です……。

どうしても刻印が無くなるのが嫌、代替品になるのが嫌、という場合、弊社での修理はお勧めできかねますため、各ブランドへお問い合わせいただくのがよろしいかと存じます。


3-3 修理事例

こちらはモンクレールダウンの袖口スナップボタンの交換事例です。
向かって左側、凹(メス)側の部品が取れてしまっていますね。このダウンウェアでは取れてしまったパーツを付けることでお直しをいたしました。

このように表面ではなく留める部分の片側のみ交換する場合、もしかすると代替品のサイズがピッタリと合うかもしれません。もし元々のスナップボタンに合う代替品があった場合は無理に全て交換するのではなく、極力交換するパーツを少なくしてお直しをしております。
モンクレールやデュペチカなど、交換用のパーツが付いている場合はそれを使用いたします。数に限度がありますが、1、2個であればブランドのロゴや刻印などを気にせずに交換修理することが可能です!


4.まとめ

今回はスナップボタンの交換についてご紹介させていただきました。
小さな部品ではありますが、ひとつひとつに刻印が入っているなどブランドのこだわりが見える部分です。万が一壊れてしまった場合はご紹介させていただいた通り交換が可能ですので、お気軽にお申し付けくださいませ。

PROSHOP HIRAISHIYAではダウンクリーニングの他に様々な修理・リペアも承っております。クリーニングに出すついでに修理もできる! もちろん修理のみのご依頼でも大丈夫です!
なにか気になっている点などございましたらまずは「無料カウンセリング」にてお問い合わせいただくことをお勧めいたします。


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