ダウン修理もPROSHOP HIRAISHIYA

2023.12.07

1.クリーニングだけじゃないPROSHOP HIRAISHIYA

モンクレールをはじめとする様々な高級ダウンのクリーニングを手掛けてきたPROSHOP HIRAISHIYAですが、当社で出来るダウンメンテナンスはそれだけではありません。PROSHOP HIRAISHIYAではダウンの修理(リペア)もお受けしています。修理の内容は多岐にわたり、クリーニングと併せてのご依頼も、修理のみのご依頼も可能です。

「クリーニングだけじゃない」PROSHOP HIRAISHIYAの修理についてそれぞれの事例ごとにご紹介させていただきます。ダウンクリーニングをきっかけに当社を知って下さった方も、ぜひご参考になさってみてください。

2.各修理についての内容

クリーニング屋さんだし、修理といっても軽いほつれを直したり、ボタンの交換くらいかな、と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。高級ダウンクリーニング専門店PROSHOP HIRAISHIYAではそういったほつれ直しなどをはじめ、大きな破れのお直しや染色もうけたまわっております。実際の修理前後の様子も踏まえながらご紹介していきます。

2−1. ほつれ修理

気付くと小さく糸が出ていたり、縫い目の途中から糸が切れてしまっていたりという現象。気になって引っ張ってしまって余計に糸が出てしまった、生地がひきつれてしまったなんて経験はありませんか?こういったほつれは放置していると広がってしまったり破れにつながることがあります。生地の境目がほつれてしまうと中のダウンが出てしまうので保温性も下がってしまいます。ダウンのブロック部分の縫い目がほつれてしまうと一部のダウンが他のブロックに流れてしまいダウンの量に偏りが出てしまうので見栄えもあまりよくありません。こういったほつれはもともとの糸の色味と同じもの(或いはできるだけ近いもの)を使用して縫い直します。

モンクレール・ステッチのほつれ修理

2−2. 破れ・穴の修理

移動中に何かに引っ掛けてしまったり、長く着ているうちに擦れて破れてしまったりすることもありますよね。併せて当社で多い依頼が「ストーブ・タバコで焼けてしまったので直してほしい」というものです。ダウンによく使用されているナイロンは強度のある丈夫な生地ですが、熱には弱く溶けやすい性質があります。ストーブは特に、当たってしまう面積が大きくなる事もあるので広範囲で穴があいてしまい、さらには穴のまわりの生地も溶けてくっついてしまうというようなケースもよく見られます。

こういった広範囲での穴については貼り付け修理という形で対応させていただいております。修理するダウン本体から生地を切り取り貼り付ける修理方法ですので、色味や質感の違いがほとんどないのが特徴です。ポケットやフードの裏地から生地を切り取り貼り付けを行います。こちらはナイロンなど光沢のある生地に使われる修理方法です。あまりにも広範囲に及ぶ場合は、貼り付け修理ではなく該当のブロック1つ丸ごとを別布に交換する場合もあります。

モンクレールダウン・同じ生地を使った貼り付け修理

モンクレールダウン・ブロック全体の交換

虫食いのような小さい穴についてはかけはぎ修理というものをオススメしています。こちらは修理するダウン本体から生地・糸を取り、もともとの生地の糸の方向に合わせて糸をかみ合わせていきます。生地の方向を合わせて修理を行うので全体的に見ても修理箇所がなじむ形となります。

このようにダウンの素材や穴の状態に応じてアプローチの仕方も変わってきます。

2-3.付属のパーツ交換

ダウンはファスナーのほかにもスナップボタンやドローコード(フードなどについている紐)などのパーツがありますが、着用している中で一番使用頻度が高いのはやはりファスナーです。当社でも多くの修理依頼をいただいております。スライダーが摩耗してしまって滑りが悪くなってしまったり、引手が外れてしまったり、複数のパーツを組み合わせて作られているファスナーは壊れてしまう場所も様々です。

ファスナーに限らずそのほかのパーツもですが、大概のパーツはそれぞれ正面や側面などにブランドのロゴや名前の刻印が施されています。パーツ交換時点で外れてしまった部品等がある場合は状態によってはそのまま使用してお直しが可能ですが、パーツとしての機能に影響のある箇所に破損が見られたり、パーツそのものを紛失してしまっている場合は該当のブランドロゴが入ったパーツでの交換は致しかねます。似た形状・色味の代替えのパーツにてお直しする形となりますので予めご了承ください。

モンクレールダウン・ファスナー引手交換

上記の画像のモンクレールダウンはそれぞれ別のダウンになりますが、外れてしまった引手がない(紛失してしまった)場合は右の画像のようにモンクレールのロゴなどが入っていない引手と交換となります。

2-4.色あせ・変色の修理

ダウンを長期着用していると、紫外線や汚れによる色あせや変色が起こることがあります。こういった症状はしみ抜きやブロックでの生地の交換では修復が難しいため、「染色」(染め直しあるいは染め替え)という形での修理をご案内しています。

色あせ・変色の原因は様々ですが、保管方法もそれらの一因となっていることがあります。紫外線を浴び続けてしまうとダウン本体にダメージが蓄積されて行きます。併せて、着用していく中で付着する汗や皮脂汚れなどが付着したダウンをクリーニングに出さずにそのまま収納してしまうと空気中の酸素と結びつくことで汚れ・シミの酸化が起こり、ダウンが変色してしまいます。また、空気中に含まれているガスも変色の原因です。車の排気ガスはもちろんですが、ヒーターなどから排出されるガス、防虫剤からも微量ですが、ガスが発生しています。こういったガスの蓄積も注意が必要です。

ダウンの変色は広範囲にわたって起きることが多いので、「全体染め」という染料にダウン本体を丸ごと漬け込む形の染色をご案内しています。部分的な染色を行うと、他の擦れて色が薄れたり経年による退色がある部分との色のズレが出てしまうためです。

3.修理事例と注意点(サンプル:モンクレール)

当社で一番取り扱いの多いモンクレールダウンをサンプルとして過去の修理事例をご紹介していきます。※こちらは「2.各修理内容」でもご案内した通り、ダウンのデザインや素材によって修理方法が異なるため、お手元のダウンが全く同じ方法での修理になるとは限りません。当社でお品物を確認させていただき、状態に合わせた最適な修理方法をご案内させていただきます。

3-1.ストーブに当たってしまったダウンの修理

先述した通り、このようなストーブに当たってしまったことによる損傷の修理依頼は多いです。外出後濡れてしまったのを乾かそうとヒーターの近くに干していた、ストーブの近くにうっかり置いてしまったなどのケースが見受けられます。

ダウンの素材によって熱に弱いものと強いものがあり損傷の度合いは様々ですが、モンクレールダウンの多くはナイロンで出来ている為、熱に弱く溶けやすいです。そのため下の画像のように広範囲にわたって損傷が起こります。こういった場合は右の画像のように丸ごと交換してのお直しとなります。修復跡がわかりにくく、もともとの状態によくなじみます。

モンクレールダウン・同様の生地を使っての修理

3-2.ウールを使用したダウンの擦れ・穴の修理

モンクレールではナイロンだけでなくウールで出来たダウンも人気が高いです。当社でお預かりするモンクレールダウンの中にもウールが使われたダウンが多くあります。これらのウールダウンの修理内容の多くは擦れによる穴の修復です。ナイロンと比較すると摩擦への耐久度が低いため着用していく中で徐々に摩耗・毛羽立ちが生じ、生地が薄くなってしまい最終的に画像のように穴が開いてしまいます。

摩擦が起きやすい袖口をはじめ、前腕の内側や脇の下なども毛羽立ちや穴が生じやすいです。こういった症状は縫い目の近くや生地の端に起きることが多いため、縫込み(下の画像のように生地を内側に織り込むような形で)修理を行います。穴が開いていた部分は縫い目の中に隠されてしまうので、パッと見ただけでは修理したことが分かりにくい仕上がりになります。

モンクレールダウン・ウール素材の穴の修理

3-3.注意点

貼り付け修理は、ダウン本体から生地を切り取るため、もともとの生地と比較して違和感のない仕上がりですが、ポケットの内布など普段あまり擦れたり日に当たらない部分のため、長く着用している摩耗したダウンの表地に張り付けると、まわりの色あせ具合と馴染まず目立ってしまう可能性もあります。

縫込み修理は、穴が開いてしまった部分を内側に入れ込むので、若干袖の丈(長さ)が短くなります。これは前腕など腕の内側の縫込みの場合も同様です。穴の大きさや位置によってもどれくらい縫い込むかが変わってきます。

◉過去の修理実績についてまとめたページがございますので、併せてぜひご覧ください。こちらはモンクレール以外にもカナダグースやタトラスなど様々なブランドの修理実績が掲載されています。

【ブランド別 事例一覧】https://downjacket.pro/category/bland/

◉モンクレールのアニメラベルの修理も承っております。モンクレールアニメラベルも修理単体でのご依頼が可能です。詳細をまとめた生地もございますので是非ご覧ください。

【モンクレール専用について(アニメラベル縫製修理)】 https://downjacket.pro/blog/3235/

4.まとめ

本日はPROSHOP HIRAISHIYAで出来るダウンの修理について、過去の実例を挙げながらご紹介させていただきました。修理は仕上がりまで2カ月ほどいただくケースもございますので、着用シーズンが明けた春先にクリーニングと併せてまとめてのメンテナンスもおすすめです。はじめは小さな穴でも、洗ったり着用していく中で徐々に大きくなっていってしまう事もございますので、早めのお直しをご検討ください。ネットでは市販の補修シートを使って自分で修理をする、というような記事・動画も出ていたりしますが、大切なダウンを長く使い続けるためにもダウン修理専門のお店へ依頼するのが間違いないでしょう。PROSHOP HIRAISHIYAは、高級ダウンのモンクレールをはじめ様々なブランドのダウンクリーニング・修理実績がございますので、安心してお任せください。

注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、修理やクリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。SNSやホームページにてクリーニング中の様子やクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介なども行っておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

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  • 【インスタグラム】
    過去の修理事例や工場でのクリーニング作業の様子を毎日投稿しています。
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    モンクレールとカナダグースのダウンクリーニング(洗濯~仕上げ)中の様子を社長のわたなべの解説付きで公開中。その他にもクリーニングについての情報やモンクレールの特徴など、クリーニングに関する役立つテーマが盛りだくさんです。

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