ダウンクリーニング しないとどうなる?

2023.10.12

皆さんは、ダウンの状態やクリーニングについて気になっていることはありますか?「前よりボリュームが減ったような気がする」「シミが出来てしまったが家で洗ってしまってもよいのか」「クリーニングのほかに修理もしてもらえるの?」などなど、着用期間や状態などによってさまざまかと思います。モンクレールなどの高級ダウンは特に取り扱いなどに悩まれる方も多いのではないでしょうか。今回は、皆さんがダウンに関してどんなことで悩まれているのか、そしてその解決方法についてご紹介していきましょう。

1.インターネットで検索してみると?

インターネットで「ダウン クリーニング」と検索すると、サジェスト(関連する質問)として「クリーニングしないとどうなる」「クリーニング しないほうがよい」「料金相場」というような内容が出てきます。

クリーニングの内容などについてよりも、そもそものクリーニングの必要性の有無についてやクリーニングの料金についての関心が高いようです。中には「家で洗う」というようなサジェストもありました。これは昨今物価高の影響から節約志向が高まっていることもあり、テレビや雑誌などで「家庭洗濯テクニック」が取り上げられる機会が増えたためかと思います。先に挙がった「料金相場」や「クリーニングしない」というワードも出来るだけ安く済ませたい、出す回数を減らしたいという気持ちが影響しているのではないかと思います。確かに高級ダウンであるモンクレールやカナダグースなどは特にデリケートな品物であるため、他のブラント度比較してもクリーニング料金は高額になります。今は簡単にネットで料金の見積もりが見られるところも多いので複数のクリーニング店を比較して検討されるケースが増えていますね。

2.クリーニングに出さないとどうなるのか

では、サジェストで出てきたそれぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。

2−1 ダウンはクリーニングしないとどうなる?

モンクレールなどの高級ダウンクリーニングをどこに頼めばよいか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、当社にご依頼いただいたお客様のなかにもモンクレールやカナダグースのダウンを購入してから初めてクリーニングに出しますという方が多くいらっしゃいます。その中からいくつか、クリーニングを行わなかったことでトラブルが起きてしまったケースをご紹介させていただきます。

これらのダウンはもともとベージュやグレー、ブラウンだったダウンが緑色に変色してしまったものです。紫外線の影響や、着用中に付着した皮脂や汗、空気中の酸素などが化学反応を起こすことにより変色してしまいます。汚れの付きやすい襟まわりや袖周辺は特に変色が起きてしまいやすい部分です。なかには日差しの影響で正面のみ広範囲で変色してしまったというケースもあります。ダウンに汚れが残ったままの状態で放っておいてしまうとこのようなトラブルの原因となります。

続いてはこちらの白いダウンはクリーニング前後の状態を並べたものです。比べてみるとクリーニング前(左側)の方はハリがなく、中のダウンが下に落ちてしまっている印象ですね。

これは中のダウンの状態が大きく影響しています。ダウン(羽毛)はタンポポの綿毛のような形状をしていて、そのふわふわとした毛の間に空気を含むことでふっくらとしたボリュームが出ています。しかし着用中にかいた汗や雨や湿気を吸う事でダウンがくっついてしまい、空気を含むことが出来なくなってしまうのです。これはダウンの保温性にも影響します。このまま着用すると、ハリのないペタンコなシルエットになってしまうだけでなく、保温性が下がってしまっているため「ダウンを着ているはずなのに暖かくない」という状態になってしまいます。

クリーニング後ボリュームが戻ったモンクレールダウン

もう1つがこちらの、「虫食い」です。ダウンは基本的にナイロンやポリエステルで出来ている物が多いですが、モンクレールやタトラスなど、中には表地がウールで作られているダウンもあります。そういったものはセーターなどと同様に虫食い(食害)に合う可能性があります。主に食害を起こすのは「ヒメマルカツオブシムシ」「カツオブシムシ」「イガ」「コイガ」という虫たちです。この虫たちは動物性のたんぱく質のにおいなどによって来るため、汗や皮脂のほかに食べこぼしなどにもよってくる可能性があります。黒いダウンは特に汚れが目立ちにくいため、注意が必要ですね。

↓↓↓きれいに見えるダウンも実はこんなに汚れています↓↓↓

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2−2 ダウンはクリーニングしない方がよい?

クリーニングしないことによって、変色したりボリュームが減ってしまったりと、様々な影響がある事を受けることがわかりましたね。ではなぜ「クリーニングしない方がよい」という情報が出ているのでしょうか。

調べてみると、「家族全員のダウンをクリーニングするのはお金がかかるから」「新しく買った方が安いから」「家で洗えるから」というような理由があるようです。また、こういった料金の面以外に「ダウンが偏る可能性があるから」などの仕上がりに関しての懸念があるようでした。クリーニング料金と、家庭で洗濯するというものについてはこの後の章の中で詳しくご説明させていただきます。

では「ダウンが偏る可能性があるから」について、当社での作業工程なども踏まえながらご説明させていただきます。まずなぜダウンが偏ってしまうのか、についてですがこれはクリーニング後の乾燥が不十分であることが原因です。乾燥時間が短かったりすると水分が残ったままになってしまい、中のダウンがくっついてダマになってしまうのです。

一般的なクリーニング店は短時間・高温での乾燥を行っており、おおよそ45分間・75℃前後で乾かしています。当社では長時間・低温での乾燥を行っており、約55℃ほどで100分以上かけて乾かしています。ダウンは熱に弱いため出来るだけ低い温度でゆっくり乾燥させていきます。時間をかけることでムラなく全体をしっかり乾かすことが出来ます。高温で短時間の乾燥は、表面に近い部分だけが乾燥し中心まではしっかりと乾ききっていないという事があります。こういった可能性がある事を懸念している方が多いため「クリーニングしない方がよい」という情報が出ているのだと思われます。

2-3 ダウンクリーニングの料金相場は?

料金の相場という事で、当社と他3点のクリーニング店のダウンクリーニングの料金についてまとめてみました。下記の料金はあくまでクリーニングのみの料金ですが、4社の平均はダウンジャケットが10,725円、ダウンコートが12,100円となりました。これらはお店によって付随してくる無料のオプションなどについては異なりますのでご注意ください。ダウンジャケットとダウンコートで料金が分かれているお店がほとんどかとおもいます。当社では丈(胴体)が袖より短い場合はジャケット、長い場合はコート(※丈と袖の長さが同じ場合はコート扱い)とさせていただいております。

ダウンクリーニング料金

2-4 知らないとキケン?ダウンの家庭洗濯

雑誌やテレビでも取り上げられている為、自分もやってみようとチャレンジした(或いはしようとしている)方もいらっしゃるかと思いますが、これはとても危険です。思い込みや勘違いで洗濯に失敗してしまい、ダウンがダメになってしまうリスクがあるためです。また、「水洗い不可(洗濯表示が✖)になっている物でも問題無し」という情報が出ていたりもしますが、「洗濯」が出来たとしてもダウンが傷んでしまったり乾燥が不十分だったりするとダウンに偏りが出てしまったり、表面の素材によっては風合いが変わってしまう可能性もあります。

過去に当社でモンクレールダウンのクリーニングを行ったお客様の中には「今までずっと自宅で洗濯していました。」という方もいらっしゃいました。詳しく聞いてみるとかれこれもう20年以上モンクレールダウンを着用していて、その間はずっとご自宅でつけ置きしたり手洗いしたりという形で洗濯をされていたそうです。ですがやはり回数を重ねるごとにペタンコになってしまったそうです。

3.モンクレールなら大丈夫?

ここまで、ダウンクリーニングについてご説明をさせていただきました。これらの内容はすべてのダウンに言えます。高級ダウンは使っている素材もよいものだし、クリーニングやお手入れを怠っても長く使うことが出来るのでは?そう考えてしまいたくなりますが、実はそうではありません。

今まで参考に挙げたダウンの画像はすべて「モンクレールのダウン」です。モンクレールのような高級ブランドのダウンであっても変色やボリューム減少、虫食いは起こりうるのです。また家庭での洗濯のリスクも同様です。モンクレールだから生地が頑丈、ダウンが長く持つという事ではなく、モンクレールであってもそうでなくても「正しい方法で洗わないとだめになってしまうの」です。クリーニング屋さんであってもたくさんの経験と技術を要します。モンクレールなどの高級ダウンのクリーニングの実績が多くないお店に出してしまうと、クリーニングする前よりもボリュームがなくなってしまったり、風合いが変わってしまう可能性があります。

先ほど紹介した、モンクレールダウンを家庭洗濯で今まで利用されてきたお客様の件もですが、「モンクレールだから」「今までは大丈夫だったから」という気持ちでメンテナンスを怠ったり家庭洗濯してしまうと今までトラブルがなかったものも、次に洗うときには破れてしまったりダウンがダメになってしまう可能性が十分にあります。モンクレールなどの高級ブランドダウンは特にクリーニングやお手入れには細心の注意が必要です。

4.まとめ

本日は「クリーニングの必要性」について、モンクレールダウンの実際のトラブルなどを例に挙げながらご紹介させていただきました。小さな汚れなどはクリーニングに出すことでダウンへの被害を最小限にすることが出来ますが、「まだ大丈夫」とメンテナンスを怠ったり自宅で洗濯をしてしまうとますます被害が広がってしまう恐れがあります。大切なダウンを長く使い続けるためにも、専門のお店で丁寧にお手入れをされることをオススメします。当社も、ダウンクリーニングはもちろんのこと、破れや変色のお直しを承っております。高級ダウンのモンクレールをはじめ様々なブランドのダウンのクリーニング・修理実績がございますので、安心してお任せください。

注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、クリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。SNSやホームページにてクリーニング中の様子やクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介なども行っておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

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(過去の修理事例や工場でのクリーニング作業の様子を毎日投稿しています)

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モンクレールとカナダグースのダウンクリーニング(洗濯~仕上げ)中の様子を社長のわたなべの解説付きで公開中。その他にもクリーニングについての情報やモンクレールの特徴など、クリーニングに関する役立つテーマが盛りだくさんです。