ダウン撥水加工のメリットについて

2023.01.10

ＳＤＧｓという言葉が流行っています。直訳すると、持続可能な開発目標、となりますが、例えばエネルギーの世界でいえば、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを普及させ、二酸化炭素の排出を極力抑制していきましょう、という目標が掲げられています。

無駄を省く、という意味では、人間が人間らしく生活する上で欠かせない衣服を、いかに長持ちさせるかが具体的な施策です。今回は、安くはないダウン製品において、長い間着用できるようにするための撥水加工について、そのメリットをご紹介します。

１．撥水加工とは

服をクリーニングに出すときによく聞く撥水加工ですが、そもそもどのような加工なのでしょうか。特に高級品に関し、あれだけお店側が勧めるのですから、何かしらメリットがあるはずなのですが、それを語る前に、まずは言の葉を確認しておきましょう。

まず、使われている漢字の確認から始めます。撥水の撥は、はねかえる、や、はねかえす、はじく、という意味があります。常用外ではありますが、反発する、を反撥する、と書くこともあります。水をはじく、ということで、防水の一種と解することができます。

また、名詞的に使うと、太鼓を叩くときに使うバチは、この漢字があてられます。太鼓の表面を叩くと、はじかれるように手に反動が伝わりますが、叩く棒のことをバチと呼び、しかもその漢字が撥になりますから、比較的イメージがつかみやすい言葉といえるでしょう

それでは、撥水加工をするというのは、実際どのような作業なのでしょうか。衣服に関しては、生地の表面をシリコンやフッ素の樹脂でコーティングすることです。この被膜により、水滴が付着したとしても、玉水の形状になり、コロコロと転がるようになります。

雨水をはじく傘なども、同じような加工が施されているものがあります。なお、塩化ビニールなどの水を通さない素材を使い、生地を生成する防水加工もありますが、水を通さない分蒸れやすいデメリットがあります。

撥水加工には、撥水液と呼ばれる液体を使用しますが、高級なダウン向けであれば、撥水液も相応のものが使われます。放水作業で水を浴びることも多々ある消防士さん向けに、消防服でも使える最高品質の撥水液も存在し、高級ダウンにも安心して適用できます。

撥水という言葉の意味や、加工自体の内容についてご説明したところで、続いてそのメリットについて、さらに詳細に解説してまいります。第一義的には単純に水をはじくことがありますが、撥水によりもたらされる恩恵は、さまざまな観点で得られるところです。

前述の通り、撥水加工は樹脂でコーティングします。加工済の衣服の上では、水滴は球状となって転がっていきます。中にしみ込むこともなく、また生糸そのものに対する処置ではないため、通気性が保たれ、雨天下でも蒸れることなく、快適に過ごすことができます。

衣服自体が濡れることがないので、表面に付着した玉水さえ丁寧に拭ってしまえば、水分を含むことなく、乾かさなくても一晩で元通りです。家の中に余計な湿気を持ち込むこともないとう、副次的な効果も得られます。

水をはね返すことは、多少の泥水もはねかえすことと同義です。さらに少量であれば、醤油やスープなどの液体も受け付けないことになります。撥水というと、雨水を防ぐイメージを持たれる方が多いと思いますが、水分全般と考えると、効果は高そうですね。

さらに、水分が大好きなカビも、結果として防止できますし、カビが発するイヤなニオイも抑えられます。大切なダウンにカビが生えてしまっては元も子もなく、いざというときの一張羅が台無しですが、撥水加工は、汚れの可能性を極小化してくれるのです。

何事にも長所、短所がありますが、撥水加工のデメリットは、吸水機能が損なわれることです。したがい、汗を吸い、発汗を促してくれるような肌着には適しませんが、上に羽織るダウンであれば、費用がかかること以外、特筆すべきデメリットはないといってもよいでしょう。

いかがでしたでしょうか。今回は、ダウンの撥水加工について、ご紹介してまいりました。お財布と相談し、懐事情に鑑み大枚はたいて買った高級ダウン製品を、末永く快適に着こなす上で、ぜひ施していただきたい加工となっています。

グレードの高いダウンを専門に扱うクリーニング会社であるPROSHOP HIRAISHIYAでは、撥水加工も承っております。お手元のジャケット、コートなどを長持ちさせたい方、撥水の効果を感じてみたい方は、当社までご一報ください。

【撥水に関する動画はこちら】https://www.youtube.com/watch?v=3p-sx_Go_C8

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