ダウンとフェザーの種類について
2022.12.13
世界的に急激な気候変動が見られる中、SDGsと呼ばれる目標設定がなされ、二酸化炭素の排出抑制が叫ばれています。温暖化の影響は日本でも著しく、ゲリラ豪雨といった具体的な現象が生じ、各地で被害も発生しています。
しかしながら、それでも日本の冬はまだまだ寒いです。最近は、モンクレールなど高機能な防寒着も増えていますが、素材としては、ダウンやフェザーが使われています。この二種類の違いは、どこにあるのでしょうか。今回は、二つの材質の差異についてご紹介します。
目次
1.ダウンとフェザーの意味
最初に、二つの単語の意味を再確認しておきましょう。何となくイメージでは理解しているものの、語彙として認識できている人は少ないかもしれません。本稿を機に、言葉としてのダウンとフェザーについて、正しく把握していただければと思います。
1-1.ダウンとは
ダウン(Down)もフェザー(Feather)も、ガチョウやアヒルなど水鳥の羽毛ですが、前者は、鳥の胸元部分からわずかに取れる毛です。タンポポの綿毛のような、柔らかい芯のない状態であり、採取できる量が少ない分、希少性が高い素材です。
羽軸がないため、空気をたくさん含むという特性を持っています。その形状から、温度を保つ層が生まれ、抜群の保温効果が得られます。空気層がどれだけあるかで、保温力が変わってきますので、そのまま価格帯にも影響してきます。
1-2.フェザーとは
羽毛という言葉通り、ダウンは毛そのものの性質を持っていますが、フェザーはどちらかというと羽に近い形をしています。鳥が当たり前に備えている羽ですので、ダウンと比べる採取しやすく、価格もお安めです。
フェザーは、羽の軸がバネの役割を果たし、弾力性や通気性に優れています。ダウンとフェザーは、鳥由来の素材に変わりありませんが、採れる場所が異なること、形状の違いにより効果を発揮する領域が異なることが、二つの違いといえるでしょう。
2.ダウンとフェザーの使用用途
二つの種類について、言葉の意味と各々の特徴をご説明したところで、続いてダウンとフェザーが、具体的にどのような使われ方をしているか、ご紹介致します。製品として完成された姿が思い描けますので、イメージが湧きやすいのではないでしょうか。
2-1.ダウンの使われ方
前述のように、ダウンは保湿性に優れています。何しろタンポポの綿毛ですので、空気が入る層が十分にあり、温かさが維持されるため、ジャケットや布団などの主要素材として使われます。
ダウンが多ければ多いほど、フワフワした感触が楽しめるため、人気が高いですが、どうしても値が張りますし、また、固い部分がないので、型崩れがしやすい傾向があります。
2-2.フェザーの使われ方
フェザーは通気性や弾力性が高く、相対的に保湿性は低くなるものの、形状を維持してくれる効果があります。蒸れにくい商品に適しており、ダウンとの組み合わせでもよく使われます。
ダウンとフェザー、どちらかが100%ということは少なく、構成比率を変えて特徴を出し、顧客ニーズに合わせていく、という使われ方が主流です。
3.ダウンとフェザーこぼれ話
素材が持つ特性から、ジャケットや布団といった防寒用品に使用されることが多いダウンやフェザーですが、代替品や、フェザーの中でも高性能なスモールバージョンについても、軽く触れておきましょう。
3-1.ダウンやフェザーはなぜ高い?
ダウンやフェザーは、生き物である鳥、その中でも水鳥からのみ採れるので、当然労力がかかります。化学繊維で作られる中綿は、人間の都合で製造できますので安価ですが、性能的に劣ります。寒さを凌ぐための性能が高いから値が張る、というシンプル構造です。
3-2.スモールフェザーって何?
同じフェザーの中でも、サイズの小さいものを、スモールフェザーと呼び、区別されることもあります。比較的、羽根の芯となる部分が細く、繊細な柔らかさと、高い復元力が特長となっています。性能が高いため、結果として通常のフェザーより高級品です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、防寒アイテムに欠かせない、ダウンとフェザーについて、解説してまいりました。わたしたちを寒さから守ってくれるジャケットや布団について、鳥たちに感謝しつつ、思いを巡らせるきっかけになれば幸いです。
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