ノリさんのタメになる知識②(ポリウレタン製品編)

2022.03.11

ポリウレタン樹脂素材は、製造日より3年(購入日からではありません)から劣化が現れてきます。以下に記す写真の物はすべてポリウレタン素材の寿命による症状で、ほんの一例となります。この他といえば、フィットジーパン(伸縮性があるもの)もポリウレタン素材が使われております。また、こういった症状は、クリーニング前に起こることを予測することは不可能のため、事前にお知らせすることはできかねますと同時に保証の対象外となります。そのため、ポリウレタン素材のものはこれらを踏まえてお出しくださいますようお願いいたします。また、ご購入時もこれらの症状が起こることを踏まえて参考にしていただけると幸いです。

1.ポリウレタンを見極める方法

​見極めるポイントは、品質素材名のところにポリウレタン又は人工皮革と表記がありますので、それらが目印です。(写真は参考例)

写真は参考例(実際にはポリウレタン又は人工皮革と表記有り)

2.実際のポリウレタン製品での事故の参考例

2-1.コーティング剥がれ

表面のコーティングが剥がれてきた状態

こちらは表面のコーティングが取れて、テカリがある部分とない部分が出来てしまっている状態です。これらはよくモンクレールのマヤ等で使われていたりします。これらを治すことは難しく、コーティングを剥がしの作業を行ったとしても薬剤の反応によりダウンの色抜けを起こしてしまいます。

2-2.ボンディング剥がれ

シワが出てきています

こういった症状もポリウレタン劣化が要因によるものです。こちらは生地が二重構造になっております。生地と生地の間に接着剤としてポリウレタンが使われていることが多く、そのボンドの役目をしているポリウレタンの効き目が弱まってくるとこのように生地にシワが寄ってきてしまいます。これはクリーニングでなってしまうということではなく、ポリウレタンの寿命によるものです。こうなってしまってはお直しは不可となります。また、クリーニング前になっていなくても既に劣化が始まっていたりすると、クリーニング後になってしまうケースもあります。

2-3.ポリウレタン樹脂自体の破損

表面にポリウレタンコーティングされていたものが剥がれてきている

こちらは高級ダウンではあまり使わておりませんが、たまにこういった元のプラスチックのボタンの上からポリウレタン樹脂でコーティングされたものがあり、その樹脂が剥がれてきてしまったことによる破損状態です。

裏地にポリウレタン素材が使われておりそれが破損した状態


2-4.ブランドロゴ等の剥がれ

写真はあくまで参考例です

こういったプリントタイプのロゴやブランドマークは時間の経過とともに剥がれてくる可能性があります。その理由はポリウレタン樹脂を使っている場合が多いです。その樹脂はいづれ剥がれてしまうので、消耗品と認識していただければと思います。