2025/09/30

ブランド別実例タトラス 専用クリーニング

タトラス

こちらはタトラスダウンになります。タトラスといえば、イタリアでスタートしたブランドで、現在、イタリアのミラノに本社を構える会社となります。いまでは日本でも大変人気で、有名人から一般の方まで大変多くの方が愛用している商品となります。その特徴は何と言ってもデザインではないでしょうか?イタリアらしいおしゃれなデザインはもちろんのこと、ポーランド産のホワイトグースダウンを使用した、高級ダウンを使用しているブランドです。機能性も抜群です。モンクレールやカナダグースももちろんデザイン製は高いですが、タトラスは一段と落ち着いたシックな黒を基調としたデザインや形が見られます。あえてダウンの量を抑えて、着ぶくれしないようにつくられているのがタトラスの特徴です。かといって、温かさがないかというとそうではなく、それを高級ダウンを使ってきれいにしているという感じになっております。生地には光沢のあるウール素材を使ったり、ナイロンを使用したりと様々されています。日本にはモンクレールやカナダグースに次いで、3番目くらいに人気があるお店です。色は私のイメージでは黒やグレーが大変多く、デザインも大人カジュアルのため、万人受けするデザインです。どちらかというと、若い方より大人なかたむきかと思います。モンクレールに比べると料金的にも良心的となりますが、そうはいってもうん十万はかかるものです。こちらのダウンはナイロン素材ですが、しっかり大切に着用すれば5年~は持つと思います。そのためにはクリーニング前と後で、ケアも大切になってきます。こちらのタトラスダウンは生地が薄く、縫製が浅いため、よく起こりがちなのは、糸がクリーニング中にほどけてしまったり、シミがついたまま放置していると変色してしまうというケースがもっとも怖いです。そうならないためにもケアが必要になってきますが、縫製に関しては対応することはありませんが、変色予防をするためには適切なクリーニングが必要になってきます。変色とは生地に本来ついていないシミが原因で酸化という現象が変色を起こす原因になります。そのため、そういったシミはしっかり落とさなければなりません。また、タトラス製品はファンデーション等が付くとほかのブランドよりも目立つ傾向にあります。特にこちらのダウンはファンデーションがついており、シミが目立つ状態でございました。それではこちらのダウンの処理について詳しく見ていきましょう。

クリーニング実例概要

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こちらはクリーニング前のタトラスダウンの状態です。黒の生地のため、あまりシミが目立たないように見えますが、そうではありませんでした。タトラスダウンの典型的ともいえるシミが部分的についており、そちらを落とす処理が必要でした。黒は同じ系統のシミの色ですと、シミがついていても目立ちにくいためそのまま残ってしまう傾向にありますが、白っぽいシミに関しては余計目立ってしまうため、しっかり落とす必要があります。特にタトラスの場合、エリや袖についていることが多く、それが顕著に出やすくなっております。また、生地が薄いため、傷が目立つ傾向にあります。そうならないためにも慎重にクリーニングする必要があり、なおかつシミもしっかり落とさなければならないという事があります。全体的にきれいに見えるタトラスダウンの処理は実はとてもデリケートなものを扱うように慎重に行う必要があるわけです。こちらの写真で見えるようにしわも全体的にあるため、プレスのめんでもしわを伸ばす必要があります。こういったしわは業務用のアイロンを使って表面から伸ばしていかないときれいに伸びません。
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クリーニングして、しわが伸びやすい状態にしてから、蒸気アイロンでゆっくり伸ばしていくのが基本のおこないになっていくタトラスダウンですが、その前に前処理でこういった襟についたシミのようなものを除去する必要があります。こういった白っぽいシミは簡単には落ちません。特殊な液を使って、油性処理して落としていく必要があります。それでも落ちない場合も多々あります。そういった場合は水性処理、漂白して落としていいきます。シミはやりすぎると生地を痛めてしまいますので、必要最低限の処理をするのがベストです。しかし、シミは濡れてしまうと、落ちたのか確認がしづらくなるため、シミの状態を確認しながら行わなければなりません。こちらのシミはおそらくファンデーションかなにかがついてしまい、白ぽくなっていると思われます。また、ファンデーションのほかにほこりや汚れがついているとさらに落ちにくい状態になっているため、染み抜きの複合技で処理をしないといけません。そういったシミ抜きはとても難しい処理を行いながらしていくものです。こちはら表面のシミなので、ファンデーションだけではなく外の汚れもついていると思われます。
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こちらは衿の中のシミの状態です。タトラスダウンはこのようなシミがもっとも多いです。おそらく、この生地がシミを受け付けやすい状態になっていることと、一度受けたシミはとても取りづらい状態になることがタトラスダウンの特徴です。しわにそってシミがついているようにも見えますが、しわにそったシミはとても取りづらいため、人間の手でこすって中から掻き出さないときれいになりません。油性で処理をした後に、さらに圧力をかけて中のシミを掻き出していくということが必要になってきます。こちらのシミはなかなか落ちず、何度も何度も繰り返してシミを落とす作業となりました。このしみは基本、何度も染み抜きしないときれいになりませんので、もしこういったシミを落としたい場合は有料のタトラスダウンで出されることをお勧めいたします。オプションでないと、最後まで落ちずに出すこともありますので、ご了承ください。オプションで頼んでいただくと、最後まで落ちきるまで行います。クリーニングはあくまで簡易シミ抜きまでで、こういった特殊なシミに関しては有料のプランとなります。ご了承ください。その後、こちらのシミはしっかり落として出すことができました。
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タトラスダウンにほぼ付いているといっていいこちらの写真のロゴ。こちらはロゴの中にダウンが入っており、クリーニングすると破損する恐れがあります。そのため、負荷をかけないようにクリーニングする必要がありました。クリーニングしてほとんど破損することはないのですが、劣化していたり、状態が悪いとそのようなことが起こることもあります。従いまして、PROSHOP HIRAISHIYAでは、タトラスを受ける際にはこちらの注意喚起をして了承してからクリーニングするようにしております。クリーニング前にどうなるかわかればそれに越したことはありませんが、こちらの劣化具合というのは見ただけでは判断がつかず、クリーニングしてみないとわからないのが現状です。なるべくどんな状態でも対応できるように一点ずつ保護してクリーニングをしていますので、ご安心ください。そして全体を保護しながらクリーニングしたのちに仕上げて完成です。タトラスダウンはシンプルな物が多いですが、衿のシミが付きやすかったり、ロゴ部分が破損してしまう恐れがあったりと、とてもデリケートな部分を併せて持っています。そして最後にきれいに完成となりました。
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