2024/12/11

ブランド別実例タトラス 専用クリーニング

タトラス ウール製品

こちらはタトラスのウール製品です。タトラスは近年ウール素材のものを多く出す傾向にあります。セーターやカーディガンなどもそうですが、ウール製のアイテムは使っている間はもちろん、見た目からも暖かそうな印象を受けますね。ふわふわとした優しい質感は、コーディネートに取り入れることでぐっと冬らしさがプラスされますね。ウールは発色が良いため、衣類のカラー展開も豊富です。タトラスでも、ホワイトやベージュ、ネイビー、ブラックといった定番色が用意されています。ウールは色褪せもしずらいため、長く愛用したい方には嬉しい素材です。PROSHOP HIRAISHIYAでもウール製のダウンのご依頼が増えてきているのを感じます。ウール製のタトラスダウンの場合、水洗いすると風合いが劣化する恐れがあるため、水ではなくドライクリーニングでクリーニングをおこなうことが多いです。ニットのセーターを水洗いしてしまうと縮んでしまうのと同じように、ウール製のダウンもウェットクリーニングをすると縮んだり型崩れを起こしてしまう可能性があるのです。PROSHOP HIRAISHIYAはウェットクリーニングでの対応を基本としておりますが、今回のようなウール製のダウンなどの場合は、素材や洗濯教示を見ながら洗いかたを変えて対応させていただいております。今回ご依頼いただきましたタトラスダウンも例にもれず、ドライクリーニングでの対応をおこなっております。ドライクリーニングは型崩れし難く、油汚れに対してのアプローチに適しているという特徴があります。一概にウェットクリーニングが良い、ドライクリーニングがダメ、というわけではございません。ぜひそれぞれの素材に適した洗い方、特徴があるということを頭の片隅に入れて置いていただけますと幸いです。こういったダウンの洗い方につきましては、長くダウンクリーニング携わっている熟練のスタッフが知識やこれまでの経験をもとに判断をおこなっておりますので、安心してお任せください。もちろんご注文前のご相談も受け付けております。PROSHOP HIRAISHIYAの公式ホームページ内にございます「無料カウンセリングフォーム」よりお気軽にご利用くださいませ。では、今回お預かりしましたタトラスのダウンコートのクリーニングについて解説をしていきます。これからダウンクリーニングを検討している方の参考になれば幸いです。

クリーニング実例概要

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今回お預かりしたタトラスダウンのクリーニング前の状態を見てみましょう。特に目立つ汚れや傷はありませんが、あちこちに羽毛が付着しています。1シーズン、限られた期間しか着用しないため、日常的に着用する衣類と比べれば汚れにくいです。とはいえ油断は禁物。実は目立たないだけで意外とよごれているのです。ウールは特に繊維が絡み合っており、汚れやほこりなどが絡みやすい特徴があります。まだ先と思われるかもしれませんが、地域によっては2月ごろから花粉も飛び始めるため、着用している間にダウンに付着してしまう可能性があります。中にはファーがついているものもあるかと思いますが、ファーも実はほこりや排気ガスを吸着しています。こういった目立ちにくい汚れも残さず落とすため、クリーニングはしっかり行う必要があります。よごれが残ったままの状態で放置してしまうとシミや虫の発生の原因になります。特に羊毛やカシミヤといった動物性繊維はカツオブシムシなどの虫たちが好むため虫食いの被害(食害)に合いやすくなります。ダウンの状態は着用シーズンが終わってからのメンテナンスによって大きく差が出てきますので、速やかに的確な対処が必要です。
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タトラスは比較的、他の人気ブランドダウンよりも軽量となっており、ダウン特有のボリューム感も薄いため、女性に好まれやすい傾向にあります。暖かさも大事ではありますが、着心地やシルエットもファッションを楽しむという観点では欠かせないポイントです。すっきりとしたAラインのシルエットが美しいことから、ダウンコートは特に多く預かりがあります。「女性人気がある」「コートが多い」という点から特徴を上げますと、襟や裾周りのシミ、汚れに悩まれているお客様が多い印象です。襟周りはお化粧の他に汗や整髪料などが付着しやすく、シミが出来てしまうようです。ウールは特に繊維に浸透しやすいので、落とすのが困難になってしまいます。裾についてはコートということで丈が長く、椅子に座った時などに腰から太ももあたりにかけての範囲で擦れたりよごれたりするケースが多いです。PROSHOP HIRAISHIYAではタトラス専用オプションとして【特殊しみ抜き】をご用意しております。こちらは襟周りのよごれに対ししみ抜きをおこなうという内容になっています。襟周りのシミがどうしても気になるという方はぜひこちらのオプションもご検討くださいませ。
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こちらの箇所も既に羽毛が飛び出してしまっています。特に目立つ穴や傷は見受けられませんので、中の羽毛が摩耗してボリュームが減ってしまっているのが原因と思われます。ウールダウンは今回お預かりしたTATRAS(タトラス)をはじめ、モンクレールなど他のダウンブランドでも販売されています。しかしその中でもTATRAS(タトラス)のダウンは中の羽毛が出てくるケースが多い印象です。これはダウンの縫合やブランドの特徴によるものです。そのため、TATRAS(タトラス)のダウンをお受けする場合は、PROSHOP HIRAISHIYAでは通常のダウンのクリーニング料金に加え、追加料金をいただいております。これは他のダウンより造りが特殊であることと、飛び出してしまった羽毛の処理に手間がかかってしまうという理由からです。PROSHOP HIRAISHIYAではとことん品質にこだわりたいという思いから、こういった形での受付をおこなっています。中には「羽毛が出てこないようにしてほしい」というようなご依頼をいただくこともあります。しかし、残念ながらもともとのダウンの構造上、完全に羽毛の飛び出しをなくすことは困難です。
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クリーニング作業をひと通り終えたら、乾燥と仕上げ、そして検品作業に入ります。今回お預かりしましたタトラスダウンは表面がウールで覆われていますので、あまり強くアイロン(蒸気)をあてることができません。加減を見ながら丁寧にアイロンがけをおこない仕上げていきます。仕上げ後の検品作業も人の手と目を駆使しておこなっています。タトラスは他の高級ブランドダウンと比べ、縫い込みが浅く弱い作りになっています。そのため、縫い目の隙間や繊維の間から羽毛が出てきてしまいます。クリーニングをおこなうことでダウンがしっかりと広がるのでクリーニング前と比較すると、羽毛の飛び出しは減りますが、それでも一連の作業後は羽毛が飛び出していたり付着していたりします。これらを丁寧に手作業で取り除いていきます。羽毛の他にも袖口や首周りにできてしまった毛玉も取り除いていきます。摩擦が頻繁に生じる箇所は意識して確認をしています。一番初めの到着時点に作成したカルテと照らし合わせながら、ダウンの状態やオプションの付与状態を確認していきます。この検品作業がお客様のもとへダウンが届く前の最後のチェックのため、特に念入りに確認をおこないます。
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