2024/11/18

ブランド別実例モンクレール 専用クリーニング

モンクレール 縫い込み修理

今回お預かりしましたダウンは、MONCLER(モンクレール)のMONTGENEVRE(モンジュネーブル)です。ダウンと聞くとナイロン製のダウンを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実際、PROSHOP HIRAISHIYA(プロショップひらいしや)でお預かりするMONCLER(モンクレール)ダウンの多くがナイロン製です。しかし、その質感やシルエットからウールダウンを着用される方も増えてきています。MONCLER(モンクレール)のウールダウンといえばこちら、MONTGENEVRE(モンジュネーブル)です。スマートなシルエットと都会的な落ち着いたデザインは幅広い年齢の方から愛されています。一般的なモンクレールのナイロンのツヤ感とは打って変わってマットな柔らかい印象を持たせてくれるウールは冬にぴったりの暖かさを感じられるダウンになっています。販売されているカラーもブラックやグレー、ネイビーなど落ち着いた色味が多く、普段使いはもちろんオフィスコーディネートにも取り入れられるということで汎用性の高さもうれしいポイントですね。体にフィットするシルエットがよりスマートな雰囲気を演出してくれます。フードの取り外しが可能な仕様になっているのでシーンに合わせて楽しむことが出来ます。冬の衣類に使われる印象の強いウール。伸縮性と保温性に優れており、寒い時期にはぴったりの素材なのです。繊維同士の隙間に暖かい空気を蓄えつつ外の冷気を防ぐことが出来ます。また、ウールには、私たち人間の髪の表面を覆うキューティクルと似た「スケール(表皮)」というウロコ状の層が存在します。吸湿性のある内部組織「コルテックス(皮質)」が、湿気を溜め込み膨潤していくとスケール(表皮)は開いて放湿されます。そして「コルテックス」の水分が減少していくと、「スケール」は閉じられます。この働きによって、羊毛は快適な水分状態を保っています。そして驚いたことにこの働きは羊から羊毛が刈り取られ、ウール繊維としてセーターになっても失われることはありません。このことからウールは「生きている繊維」と呼ばれています。MONCLER(モンクレール)のMONTGENEVRE(モンジュネーブル)は、優れたダウンとウールの特性が組み合わされて作り出されているんですね。今回はこのMONTGENEVRE(モンジュネーブル)の修理について解説します。

クリーニング実例概要

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冬らしい暖かい質感から、愛用される方も増えているウールダウン。PROSHOP HIRAISHIYA(プロショップひらいしや)でもモンクレールのダウンをはじめ多くのブランドのウールダウンを受け付けています。ウールは色が染まりやすく、発色が良いのでこの季節になると色とりどりの衣類がお店に並びますね。しかしもう1つの特徴として「摩擦に弱い」という点があげられます。セーターやカーディガンなどウール製品を着用していると実感する方も多いかと思いますが、ウール製品は袖口や襟周りなど摩擦が生じる箇所には毛玉ができやすいのです。平面だった毛が摩擦によって周囲の繊維と絡み合い毛玉になってしまいます。この繊維は一度絡まってしまうと元通りにすることは難しく、毛玉を取り除いた部分は周りと比べ生地が薄くなってしまいます。そこに経年の傷みも蓄積し、生地は非常に弱い状態になってしまいます。最終的には穴が開いてしまったり破れてしまうケースも少なくありません。実際、今回弊社にご依頼をいただいたウールダウンも、袖口や腕の内側の複数箇所に小さな穴が開いてしまっています。今回はこの小さな穴の修理方法についてご紹介していきます。
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今回ご紹介するのはMONCLER(モンクレール)のMONTGENEVRE(モンジュネーブル)ダウンの縫い込み修理です。ご依頼いただいたMONCLER(モンクレール)ダウンの修理前の状態がこちらになります。長くご愛用されてきたダウンかと思います。腕の内側や袖口に小さな穴がぽつぽつと見受けられます。袖口は特に意識的にも、無意識的にも物に触れる機会が多いので、摩擦が生じやすく生地は大きなダメージを受けています。そして見落としがちなのが腕の内側の擦れ・穴です。袖口と比べてものに触れる機会が少ないように感じますが、こちらは物ではなくダウン本体と擦れることによる影響で穴が空きやすくなっています。ダウンは厚みがあるので衣擦れが起こりやすいです。また袖(特に肘周り)の縫い目部分は、衣擦れに加えて腕の曲げ伸ばしの際に生地が引っ張られることもあり、生地が傷みやすいです。修理のご相談をいただくダウンの多くは小さい穴が複数空いている状態ですが、こういった穴は放置してしまうと徐々に穴が広がっていってしまう可能性があります。こういった穴は範囲が小さいうちに丁寧に対策することで被害を最小限にとどめることが出来ます。
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こちらがMONCLER(モンクレール)のMONTGENEVRE(モンジュネーブル)ダウンの修理後の状態になります。穴が開いていたのはそれぞれ縫い目の近くだったため、「縫い込み修理」という形をとらせていただきました。もともと縫われていた部分を一度ほどいて、穴が開いてしまった生地を内側に入れ込みながらもう一度縫い直す修理方法で、修理跡がわかりにくい修理方法となります。修理後の変化として、今回穴が然程大きくなかったため縫い込みの幅はそこまで深くありませんが、袖口の幅や丈は若干縮みます。縫い込み修理は新しい生地を使う必要がないので、従来の質感や使用感は残ったままで修復が可能です。縫い込み修理の場合、縫い目の一直線上に複数穴が空いている場合には1度の修理でまとめて縫い込んでしまうことが出来るというメリットがあります。今回お預かりしましたMONCLER(モンクレール)のMONTGENEVRE(モンジュネーブル)は特にこの方法での修理が多いです。この縫い込み修理の注意点としてはあくまで縫い目のキワに穴が開いている場合のみ有効であるということです。状況によっては別な修理方法をご案内する場合があります。
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MONCLER(モンクレール)のダウンは非常に高性能且つデザイン性に優れています。一生ものともいえるダウンだからこそ、小さな損傷はできる限り直して、長く愛用していきたいですよね。そのためには正しい処置で修理をおこなう必要があります。このとき、損傷の修復を先送りにしないこともポイントの一つと言えます。応急処置として自分で縫ったり張り合わせたりしてしまうと、さらに状態が悪化して(あるいは修理箇所が増えて)しまう危険があります。実際にテープで張り合わせて塞いで、ダウンに痕がついてしまったお客様もいらっしゃいました。損傷箇所や状態にもよりますが、今回の縫い込み修理のように、より目立ちにくい修理方法をご案内できる場合もございます。本日ご紹介いたしました縫い込み修理の他にも、様々な方法でMONCLER(モンクレール)ダウンを修理した実績がございます。PROSHOP HIRAISHIYA(プロショップひらいしや)では、これまでの修理に関する実績をホームページ内の「実績紹介」にて公開中です。その他ご相談などがございましたら、弊社カウンセリングフォームもしくはお電話にてお気軽にお問い合わせくださいませ。
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