2024/10/25

ブランド別実例モンクレール 専用クリーニング

モンクレール 全体染め

みなさんこんにちは。今回ご紹介するダウンメンテナンスの実績はMONCLER(モンクレール)のダウンコートになります。MONCLER(モンクレール)はいわずと知れた人気ブランドです。厳正な審査を経てキャトルフロコンに認定された超高品質ダウンを使用しており、機能性に優れています。手作業で丁寧に充填されたダウンは軽く、暖かいので寒さの厳しい地域でも大活躍です。こういった優れた機能面はもちろんのこと、ファッションの面でも非常に高い評価を得ているMONCLER(モンクレール)。様々な素材を使用しながら魅力的なデザインを次々に生み出し続け、時代の変化に合わせながら第一線で活躍しています。2024年秋冬コレクションではさらに洗練された都会的なデザインを展開。クラシカルな雰囲気が漂うアウターはアウトドアのみならず都会のスタイルにも非常によくマッチします。様々な年代に人気の高いMONCLER(モンクレール)はモデルの展開が非常に多く、男女問わず着こなしやすいデザインが豊富です。ウィンターファッションのマストアイテムとして浸透しているMONCLER(モンクレール)のダウンの中でも、特に高い人気を誇るのが今回ご紹介するHERMINE(エルミンヌ)。レディース向けのモデルで裾が広がったシルエットがポイント。お尻まですっぽりと隠してくれるAラインコートが、ボディラインを綺麗に魅せてくれます。ダウン特有のボリューミーなシルエットとはうって変わってスマートな見た目に魅力を感じられる方も多いのではないでしょうか?女性らしく落ち着きのあるカラー展開も、人気であり続ける理由の一つですね。バリエーションも豊富でベージュ、グレー、ブラック、ネイビーのMONCLER(モンクレール)定番の4色が展開されていました。コーディネートに取り入れやすい色味は需要も高く、人気のロングランモデルでしたが、2023年に在庫限りで廃盤、生産終了となりました。現在、HERMINEエルミンヌ の後継モデルとしてHirmafur(イルマファー)とHirma(イルマ)が登場しています。今回はこのHERMINE(エルミンヌ)の全体染めについてご紹介していきます。廃盤となり再購入が困難となったHERMINE(エルミンヌ)はどのような仕上がりになるでしょうか?染色を行うに至った原因・理由を踏まえつつその結果について詳しく解説していきます。

クリーニング実例概要

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PROSHOP HIRAISHIYAにご依頼いただくダウンのほとんどがMONCLER(モンクレール)のダウンです。そのうちの過半数を占めるナイロン生地は、摩擦に強くカビや虫からの被害を受けにくいという特徴があり、比較的保管のしやすい素材です。アウトドア用品はもちろん日常生活でも非常に重宝され、今や無くてはならない素材であると言えます。万能であるように見えるナイロン生地ですが、当然弱点も存在します。高熱に弱かったり、黄ばみや色褪せが起こりやすいという特徴もあります。ナイロンは紫外線やストーブから発する酸化ガスに弱く、それらに長時間さらされてしまうと変色の原因となります。自宅での保管も紫外線や酸化ガスの影響を受けてしまいますので保管場所や換気などの気配りが必要です。冬場はストーブを使われる機会も多いかと思います。加えて部屋が冷えるのを避けるため換気も疎かになりがちです。生活している部屋はもちろんですが、ダウンを収納しているクローゼットにも当然ガスは流れていきます。収納スペースのほとんどは奥まったスペースに配置されており、意識的に喚起を行わないと空気の循環がしづらい環境のため注意が必要です。
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今回ご紹介するのはMONCLER(モンクレール)のダウン、HERMINE(エルミンヌ)ベージュの全体染めです。ご依頼いただいたMONCLER(モンクレール)ダウンの染色前の状態がこちらになります。長くご愛用されてきたダウンかと思います。広範囲で色褪せ・変色が起きてしまっていますね。ナイロン製のダウンに特に多いこの「色褪せ」「変色」。クリーニングやしみ抜きで直りますか?というご相談をいただくこともありますが、実際はクリーニングやしみ抜きでは修復が困難です。こういった変色や退色というのは元々の色を構成する分子が壊れてしまうことによって生じます。一度壊れてしまった分子を戻すことは出来ないため、再度染色する必要があります。変色の主な原因は紫外線とよごれの蓄積にあります。今回のMONCLER(モンクレール)ダウンのようなナイロン生地は紫外線に弱いという特徴があります。長時間日光にあたり続けることで、生地がダメージを受け分子が壊れ変色が起こります。食べこぼしなどのよごれの放置も注意が必要です。食べ物に含まれる成分が分子を分解したり結びついたりすることにより、ダウンの変色が起こる場合があります。
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こちらのお写真が全体染め後の状態となります。今回はベージュからブラックへの染め替えをおこないました。ブラックへの染め替えは比較的染まりやすく、今回も全体がきれいに染まりました。全体の漬け込みのため、首周りから裾までしっかりと染まります。この時注意が必要なのが、逆の場合の染色(ブラックからベージュ)はできないということです。昨今はホワイトやベージュなどのアースカラーがトレンドとなっていますが、全体染めは原則元々の色味よりも濃い色での染色となります。その他の例としてブラックからベージュ、ネイビーからホワイトなども染色が出来ません。同色で染める(ブラウンからブラウン、ネイビーからネイビーなど)場合にも、元々の色味よりも濃い色(ダークブラウン、ダークネイビー)での染色となります。色褪せや変色の原因はいたるところに潜んでいます。ちょっとした対策で抑制することが出来る場合もありますが、普段の着用の中での色褪せはなかなか避けることはできません。そんなときのメンテナンス方法として、PROSHOP HIRAISHIYAでは「全体染め」という選択肢があるということをぜひ覚えておいていただければと思います。
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全体染めはダウン全体を染料に漬け込むため、広範囲での色褪せや変色に対して非常に効果のある修復方法です。先ほどご紹介した通り染められる色などに制約がありますが、ダウンに合わせた色選び、正しい方法で染色作業を行うことで満遍なく色を染めることができます。繊維の中まで染料が浸透し色が落ちにくくなります。これによって染色後も長く綺麗な状態を楽しむことが出来ます。当然ダウンの状態や素材の特徴によって色の入りやすさに個体差があります。今回のダウンのように染色前と後の色味がほとんど変わらない場合には、より深い色に染まります。過去の実績のように染色前の色が明るかったり濃かったりする場合には、染色後も少なからずその影響を受けてしまう場合があります。「もし自分のダウンは染色したらどうなるんだろう」と全体染めに興味を持っていただけましたら、ぜひこれまでの染色の実績をご覧ください。PROSHOP HIRAISHIYA(プロショップひらいしや)では、これまでの修理や染色の実績をホームページ内で公開中です。その他ご相談などがございましたら弊社カウンセリングフォームもしくはお電話にてお気軽にお問い合わせくださいませ。
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