モンクレールダウンクリーニングについて

2024.12.23

皆さんこんにちは、PROSHOP HIRAISHIYAです。当社はモンクレールをはじめとする高級ブランドダウンを専門に取り扱っているクリーニング店です。これまでのクリーニング実績は累積500,000着以上にのぼります。多種多様な素材・デザインが溢れるダウン1点1点、丁寧に向き合ってクリーニングをおこなっています。

さて本日はPROSHOP HIRAISHIYAで特にご注文の多い「モンクレール」のダウンクリーニングについてお話していきます。

1.モンクレールダウンのクリーニング方法

PROSHOP HIRAISHIYAにご依頼いただくダウンのほとんどが「ナイロン製」です。こういった化学繊維は丈夫で水にも強いので、ウェットクリーニングで洗っていきます。

あらかじめ汚れが目立つ部分は、前処理として溶剤を付けて集中的に洗っていきます。中でも特に襟まわりや袖口は汚れやすいので、こういった部分は念入りに洗っていきます。ホワイトやネイビーなどダウンのお色味によってはシミや黒ずみが目立ちますが、ブラックなど濃い色のダウンはなかなか汚れに気付けませんよね。一見汚れていないように見えても、専用のブラシで袖などを洗っていくと黒く汚れた泡がどんどんでてきます。ブラシでしっかり掻き出すことで、繊維の奥に入り込んだ汚れも取り除いていきます。

ご家庭の洗濯でも汚れがひどいものは予洗いをすることで汚れが落ちやすくなります。もちろん洗濯機も水圧できちんと洗ってくれますが、人の力で擦って落とすことでよりしっかりと汚れにアプローチすることが出来ます。

モンクレールで販売されているダウンは、様々な素材が使用されています。先ほど紹介したようなナイロン製のダウン以外にも、ウールや動物の皮革が使用されているダウンもあります。これらの素材には残念ながらウェットクリーニングは適しません。では、どうやって洗うのか、というと石油系の溶剤を使用して洗うドライクリーニングという方法を取ります。ドライクリーニングは、免許を持ったクリーニング師が専用の溶剤や機械を使っておこなう特殊な洗い方で、ご家庭で同じ洗い方をすることは出来ません。

動物の革や毛は、ウェットクリーニングをしてしまうと素材の形状が変わってしまったり劣化してしまうため、注意して取り扱う必要があります。非常にデリケートな素材の為、洗う工程のほか乾燥の際も注意が必要です。ファーは高温にあててしまうと毛が切れたり傷んでしまうため、自然乾燥で乾かします。ドライクリーニングは揮発性の石油系溶剤を使います。十分に乾かせばにおいも残らず型崩れの心配もありません。

2.モンクレールダウンのメンテナンスについて

使用頻度が高く摩耗の進行が早いため、修理のご相談をいただくことも多いファスナー。モンクレールダウンの場合、エレメント(歯)の部分がプラスチックでできており、スライダーが金属のものが多い印象です。スライダーは繰り返し使う事で劣化していくので、丈夫な金属を使用されていると安心できます。ご相談いただく内容としては以下のようなものがあります。

  • 引手が外れてしまった
  • 裏地を噛んでしまって動かない
  • 滑りが悪く途中からスライダーが進まなくなってしまった
  • 閉めたはずが途中から開いてしまうようになった

ファスナーひとつをとってもいろいろなトラブルが出てきますね。さて、これらの相談内容はどのように対応していくべきでしょうか?実は、修理が必要な個所や原因となっている部品がそれぞれ異なります。

モンクレールダウンの内側に縫い付けられているアニメラベル。ダウンの洗い方が描かれたかわいらしいラベルです。モンクレールのアイデンティティともいえるこのワッペンも、ご相談が多い部分になります。

こちらのラベルはまわりをぐるりと縫い付けられているのですが、1か所ほつれてしまうとその周りもどんどんと剥がれてきてしまいます。中には縫い付けていた糸がすべて剥がれてしまった状態のダウンもあります。その他、ラベル本体の糸がほつれ、まわりの糸だけが残った状態でラベルが添えられて届くこともあります。こういった縫い付け作業は受け付けてくれるお店も少なく、困ってしまうお客様が多くいらっしゃいます。

モンクレールダウンは高級ブランドダウンという事で、一般のお店ではクリーニングをはじめ修理なども断られてしまう場合があります。PROSHOP HIRAISHIYAではこういったラベルの補修も可能ですが、お受けできるのはアニメラベルがお手元にある場合に限ります。紛失してしまったり、購入された時点(新品中古品問わず)でアニメラベルがついておらずお手元にないという場合には、残念ながら対応いたしかねます。これはモンクレールがアニメラベル単体での販売をおこなっていない為です。

3.注意が必要なデザイン・素材

モンクレールは多様な素材を使いながら様々なデザインを生み出しています。種類豊富なダウンは、ファッションの雰囲気やシーンに合わせた着こなしを楽しむことが出来ます。

しかしダウンを着用するにあたって注意が必要な素材もあります。それぞれの特徴も踏まえながらご紹介していきます。

このシームレスダウンというのは樹脂による圧着加工によって生地同士をくっつけています。「ノーステッチ加工」「圧着加工」と呼ばれることもあります。

シームレスダウンは縫製による穴がないため保温性が高く、ダウンが縫い目などから飛び出しにくいという特徴があります。

今やその保温性の高さから積極的にシームレスダウンを選ぶ方も多く、人気衣料品店のユニクロで販売されているシームレスダウンも毎年人気を集めていますね。

一見すると、メリットの大きい仕様のように感じますが、注意しなくてはいけない部分もあります。

それが経年劣化による樹脂の剥がれです。接着に使われている樹脂は「ポリウレタン」というものです。このポリウレタン樹脂は、製造からおよそ3年ほどで経年劣化が始まるとされています。水や熱、紫外線などの避けることのできない外的要因により劣化が進行します。

この劣化は「製造から」始まっているということと、「劣化の程度には個体差がある」のがポイントです。クリーニングを受付する中で、まだ着始めてから3年経過していないのに樹脂が剥がれ始めてしまったという声を聞くこともあります。これにはいくつかの可能性があり、

  • 「製造された日」から起算するとすでに3年経過している
  • 使用頻度が高く、劣化の進行がはやかった

というようなことが考えられます。今は樹脂が剥がれていなくても、今後剥がれてしまう可能性は十分にあります。

モンクレールに特に多いデザインが、以下の画像のようなプリントによるロゴや文字の貼り付けです。

今回胴体部分にプリントされているものをご覧いただいていますが、中にはフード部分にプリントされているモンクレールダウンもあります。

こういったプリントは主にナイロン製のダウンに使用されています。熱を加えることで接着がされているのですが、着用しているうちに徐々に剥がれてきてしまいます。こういったプリントの剥がれはタイミングが予想できないもののため、取り扱いが非常に難しいです。

普段使いの中でも剥がれてしまう可能性は十分にあります。当社にも角の部分が少しめくれていたり、プリントがかけたりしているダウンが届くことがあります。こういったダウンもクリーニングは可能ですが、プリントが剥がれてしまうリスクがあります。

こういったプリントの黒ずみを落としてほしい、というようなご依頼をいただく場合もございますが、しみ抜き作業によってプリントが剥がれたり擦れてしまう可能性があるため、PROSHOP HIRAISHIYAではあまりプリント部分の染み抜きはおすすめしていません。ご相談いただいたお客様には都度、同様の内容をご説明させていただいております。

モンクレールは以下の画像のように異素材を組み合わせたダウンも多くあります。ナイロン×レザー、ウール×レザーの組み合わせのダウンは特に多く、非常にデザイン性に富んでいます。

モンクレールの場合は特に牛革や羊革を使っていることが多いです。

革は基本的に使い込んでいくことで風合いがなじみ、丈夫になっていくという特徴があります。しかしエイジングが進むと革は堅くなり、ひび割れが生じたりすることがあります。また、水に弱いため濡れてしまうとシミになったり風合いが変わってしまうというリスクがあります。

PROSHOP HIRAISHIYAでは使われている素材や、それらの使用範囲に応じてクリーニング方法を変える形で対応しています。

中には、ダウン本体に傷や破れがある状態のダウンが届くこともあります。

お客様の希望が「クリーニング」のみだった場合、お見積りの際に修理についてご提案させていただくことがございます。というのも、破れたままの状態でクリーニングをおこなってしまうとさらに破れてしまう可能性があるためです。状態によっては破れた部分からダウンが出てきてしまう場合もあります。

ダウンジャケットは、ブランドによって羽毛がそのまま入れられていたり、ダウンパックの中に入れられている場合もあります。ダウンパックに入っている場合は、軽い外傷なら中身が出てくることはありませんが、ダウンパックが使われていなかったり傷が深かったりすると、羽毛が出てきてしまいます。

修理を希望される場合、外傷の修復を行った後にクリーニング作業に入るため、羽毛が出てきてしまったり傷が広がってしまうリスクは抑えられます。

傷をふさぐ方法は、傷の範囲やダウンの素材によって異なります。また、内容によって修理料金も大きく変動いたしますので、詳しくは弊社ホームページの料金表をご確認いただくか、無料カウンセリングフォームをご利用ください。

4.まとめ

いかがでしたか?

本日はモンクレールダウンのクリーニングやメンテナンスについて解説をしてきました。後半でご紹介した通り、素材やデザインによって注意が必要なポイントもいくつかあります。PROSHOP HIRAISHIYAでは素材や状態に合わせてクリーニング方法をかえたり修理のご提案などをおこなっています。

PROSHOP HIRAISHIYAでは、モンクレールをはじめとする高級ブランドダウンのクリーニング取り扱い実績が50万着以上あります。それぞれの素材や汚れの特性を踏まえながら最適な方法でクリーニングやシミ抜きをおこなっております。注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、クリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。SNSやホームページにてクリーニング中の様子やダウンクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介なども行っておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

また、多くのお客様にネット注文をご利用いただいております。ご自宅でスマホやパソコンから必要な情報をご入力いただきますと、注文完了となります。集荷日時をご指定いただければ、ヤマト運輸さんが、梱包用の段ボールを持参してお客様のご自宅まで引き取りに伺います。当社到着後、作業中の進捗状況等はメールにて都度ご案内させていただいております。また、仕上がり後のダウンもヤマト運輸さんより配送されます。ご自宅で注文から受け取りまでの一連の作業が完結できるシステムとなっております。

注文後の流れについて、わかりやすく説明させていただいた動画がこちらになります。是非合わせてご覧ください。

【YouTube】注文から納品までの流れ

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