【解決】ダウンの変色・色あせに悩む方へ
2024.11.26
皆さんこんにちは。高級ブランドダウンクリーニング専門店のPROSHOP HIRAISHIYAです。当社ではモンクレールをはじめ様々な高級ブランドのダウンクリーニング・修理を行っています。その中で得た経験や実際のクリーニングや修理の実績などをもとにダウンに関するいろいろな情報をこちらのブログではご紹介しています。
長くダウンを着用していると、徐々に本体の色あせやくすみが気になってきますよね。しかし、ダウン自体には目立った損傷が無かったり思い入れのあるお品物だったりすると、捨てるのがもったいなく感じてしまうのではないでしょうか?
「かといってこのまま着るのはなんだか格好悪いし…」
とお悩みの方にうってつけの解決策をご紹介させていただきます。
目次
1.色あせや変色の原因は?
まずそもそも、色あせや変色がなぜ生じてしまうかご存じでしょうか?これには複数の要因があります。主なものとして以下のような理由が挙げられます。
- 紫外線
- 食べこぼしや皮脂、汗などの汚れ
- 摩擦
モンクレールなどのナイロン製のダウンに多く見られる変色は紫外線や汚れの影響を多く受けている物だと考えられます。というのもナイロンは熱に弱く紫外線に当て続けられると徐々に変色し始めてしまうという特徴があります。雪や雨に濡れたダウンを乾かすために長時間日光に当て続けていたり、日の当たりやすい収納にカバーなどをかけずに保管していたりすると紫外線に触れる機会が多くなってしまいます。変色は突然はっきりと色が変わってしまうという事はあまりなく、徐々に変わっていきます。
また、汚れによる変色の原因として染料と汚れの成分の結合が挙げられます。繊維に付着しとどまり続ける汚れは放っておく間に徐々に繊維に浸透していきます。その最中に繊維に含まれた染料と汚れの成分が結び合う事でもともとの染料の分子が壊され、もともとの色を保つことが出来なくなる事で変色という現象が生じます。変色してしまったダウンをしみ抜きで戻すことはできますか?というような質問をいただくことがあります。しかし、壊れてしまった分子はしみ抜きでは修復することはできません。
もう1つの摩擦。これについては色あせの要因となります。カナダグースのダウンなど、一部のダウンの生地はもともと色がついている繊維(あるいは生地)の上から別な染料を塗布して染めています。これは漬け込みによる染色ではなく上塗りです。そのため、塗装した面が繰り返し擦られたりすると徐々にその塗料は剥がれていってしまいます。その結果「色あせ」となるのです。カナダグースのダウンはそのほとんどが白色の生地の上から黒や紺などの塗料を塗っている為、摩擦の生じやすい部分がだんだんと白っぽくなって(白化して)いくのです。
2.色あせや変色の対策方法
できるだけこういった現象を防ぐため、ご自宅や普段の生活の中でも簡単にできる対策方法についてご紹介いたします。
2-1.色あせの対策方法
実際、クリーニングをご依頼いただく方の中には「通勤用のバッグが擦れているのか、スレて色あせてしまっています」というように原因に心当たりがある方もいらっしゃいます。寒い冬の味方であるダウン。毎日愛用しているからこそのトラブルですね。
色あせの対策として、まずは摩擦の生じやすい環境を作らないことが大切です。PROSHOP HIRAISHIYAでお預かりするダウンを見ていると、普段人の手や物に触れる正面のポケットや袖口、そして脇下や背面(背中や肩、お尻まわり)は白化が進みやすい傾向にあるように感じます。背面は椅子に座ったりバッグを背負ったりする際に摩擦が生じやすく、擦れる面積も大きいのでそれに伴って白化の面積も大きくなってしまうので目立ちやすいです。
こういった人の行動による原因も大きいのですが、意外と盲点なのが収納スペースです。ダウンは分厚くて収納が難しいですよね。ハンガーにかけてそのままクローゼットにしまっている方が多いかと思いますが、ポイントなのはこの収納している際の衣類同士のスペースです。冬物はダウンジャケットにコート、ニットセーターとモコモコと厚みがあるので収納スペースが圧迫されがちです。いざ意識してみるとクローゼットがギュウギュウ詰めになってしまっていた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?実はこの衣類同士の摩擦も注意が必要です。ダウンや周りの衣類を取り出す際に衣類同士で擦れあってしまうと、ダウンの色あせにつながります。これはコートなどのウール素材の毛羽立ちや毛玉の発生も懸念されます。
では取り出すときに注意していれば安心なのかというと、そうでもありません。収納したままの状態でも衣類同士は触れあっているので摩擦は生じています。そのため、収納の際には十分なスペースの確保が必要なのです。
2-2.変色の対策方法
ダウンの変色で多いのが緑がかった変色です。この変色は前述した通り紫外線や皮脂、食べこぼしなどによる影響が大きいです。
着用している間、紫外線からダウンを守るのは難しいですが、ご自宅での保管であれば少し意識するだけで簡単に対策が出来ます。ダウンは雨や雪などの悪天候の中で着る機会も多く、お家に帰る時にはダウンが濡れてしまっている、という場合もあります。
こういったとき、皆さんはどうされていますか?
天日干ししているという方は、注意が必要です。晴れた日に直射日光に当てれば早く乾くだろう、と外で乾かしてしまっていませんか?これは変色の原因になってしまうので、あまりおすすめできません。もしご自宅で干して乾かしたい、という場合には「陰干し」がベストです。閉め切った室内で干してしまうと湿気が溜まってかえって乾きにくい環境になってしまうので、「風とおしの良いところ」の干しましょう。
そしてもう1つの汗や皮脂、食べこぼしよごれの対策方法です。万が一よごれてしまったときの最善手は速やかなよごれの除去です。こういったよごれは付着してから落とすまでの時間がカギになってきます。時間が経った古いよごれほど繊維の奥まで入り込んでしまい落としにくくなっていきます。ダウンは1シーズン通して着用を続けることの多い衣類のため、こまめな洗濯は難しいですし後回しにしてしまいがちです。しかしできる限り早めにクリーニングやしみ抜きをおこなうことでよごれを綺麗に落とし変色を防ぐことが出来ます。
あらかじめよごれを防ぐという点から、PROSHOP HIRAISHIYAがおすすめしたいのが「撥水加工」です。雨を防ぐためのものというイメージが強いかと思いますが、飲み物や食べこぼし、さらには泥はねなど液体状のものの付着も防いでくれる優れものです。よごれてしまうリスクを防ぐ手段として市場に有効です。
3.もしも色あせや変色が生じてしまったら
色あせや変色を起こさない為の方法についてご紹介してきましたが、こういった対策を取っていても当然、経年劣化は避けられませんのでトラブルも生じてしまいます。
そんな時どうすればよいのか、についてもお話していきます。
色あせや変色を見つけると焦ってご自身でどうにかしようと思ってしまうかもしれません。しかしここで間違った行動をとってしまうと、この後の修復に影響が出てしまう可能性があります。
もし色あせや変色を見つけた場合には速やかに購入先のカスタマーサポートを利用するか、高級ブランドダウンの修復経験のある専門店に相談をしましょう。修復の可否や修復方法、料金については依頼先によって大きく異なるので注意が必要です。
PROSHOP HIRAISHIYAではこういった色あせや変色に対してのオプションとして
「部分染め」「全体染め」
をご用意しています。
4.染色をおこなうメリット
4-1.メリットその1
冒頭でもお話ししたように、ダウン本体の機能性には問題が無かったり目立った損傷がない場合、手放すのは躊躇ってしまいますよね。そういったとき、「手放す」以外の選択肢が増えるというのがまず1つ目のメリットです。
染色をし、また着られる状態になることでそこから更に活用方法の選択肢が増えます。再びご自身で着られるのも良いですし、ご家族や知人に譲るもの良いでしょう。
いずれにしても今あるものを長く大切に使うという取り組みは、今世界が向き合っている「SDGs」の観点からみても、私たちにとっても、メリットのあるものだといえるのではないでしょうか。
4-2.メリットその2
もう1つのメリットは新しいダウンを購入するよりも安価に済むという点です。
モンクレールをはじめほとんどの高級ブランドダウンは染色による修復を受け付けていません。そのため新しく購入する(あるいは中古で購入)ことになります。この場合、非常に高額になります。
PROSHOP HIRAISHIYAでは全体染めを¥35,000(税込)で承っています。モンクレールでもトップの人気を誇るMAYAショートダウンジャケットの約10分の1の金額です。(モンクレール公式ホームページ参照/2024.07.01現在¥300,300)
昨今多くのブランドが値上げに踏み切っており、それはモンクレールのダウンも例外ではありません。今ご紹介した「MAYA」や同じくモンクレールの人気モデル「MONTGENEVRE」も値上げをしており、中には値上げ前の価格と比べて10%以上の変化があるものもあります。この値上げは今後も行われるのではないかと予想されます。
5.過去の染色事例の紹介
5-1.カナダグース 袖口の白化
カナダグースダウンで特に多い袖口の白化。これは摩擦が主な要因です。ものに触れる際などもそうですが、歩いているときなども実は腕の内側が擦れていたりします。こういった無意識の行動の中で生じる摩擦はあまり注意して対策しません。そのため、ある程度目立つようになってから白化を意識し始めます。
こういった限定的な部分の白化については「部分染め」をオススメしています。経験豊富な従業員が1点1点調色し、もともとのダウンの色味に合わせて染色作業をおこなっていきます。染色作業はすべて手作業で行うため細かい部分の染色作業も丁寧に行うことが出来ます。そのため部分的な染色でも違和感のない仕上がりを実現できます。
5-2.心機一転 カラーチェンジ
「もともと着ていた色に飽きてしまった」、「コーディネートに合わせづらくなった」
こういった悩みも、おしゃれを楽しんでいるからこそ。年齢や流行とともに好みも変わっていきますよね。そんな時にオススメなのが【全体染め】です。
PROSHOP HIRAISHIYAをご利用いただいたお客様の中にもガラッとお色味を替えられたお客様が多くいらっしゃいます。
- ヘルノ:ベージュ → ダークブラウン
- THE NORTH FACE:カーキベージュ → ブラック
- モンクレール:ベージュ → ブラック
基本的にはもともとの色よりも濃い色での染色となります。当初のダウンの色によって、色の出方には差が出ます。また、ご注文の際に色をお選びいただいた場合でもお品物の状態によっては別な色での染色をオススメさせていただく場合がございます。何卒ご了承くださいませ。
6.まとめ
いかがだったでしょうか?本日はダウンの変色の原因と対策方法、そして染色をおこなうメリットをお話させていただきました。
- 手元の白化が気になる
- 購入当初より色褪せてきた
- 染色を依頼したいが全体染めと部分染めで悩んでいる
など、お手元のダウンの色や当社のオプションについてお悩みの場合はぜひ一度PROSHOP HIRAISHIYAにご相談ください。
当社ではホームページ内に「お問い合わせフォーム」を設けております。納期のお問い合わせや修理についてのご相談などの際にご利用いただけます。その他お電話でのお問い合わせも承っておりますので、お気軽にご相談ください。
今回の記事を読んで、当社のダウンクリーニングや過去の事例についてもご興味をお持ちいただけましたらぜひ、当社の【実績紹介】も併せてご覧ください。こちらのページではPROSHOP HIRAISHIYAで行った様々なクリーニング・修理・染色の事例を公開しております。お手持ちのダウンと似た状態のダウンの事例が見つかるかもしれません。ご参考にしていただけますと幸いです。
PROSHOP HIRAISHIYAでは、モンクレールをはじめとする高級ブランドダウンのクリーニング取り扱い実績が50万着以上あります。それぞれの素材や汚れの特性を踏まえながら最適な方法でクリーニング・染み抜きを行っております。注文方法や現在のダウンについてご不安な部分、ダウンクリーニングの内容について確認したいことがある場合は無料カウンセリングや電話注文も承っておりますので、下記リンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。SNSやホームページにてクリーニング中の様子やクリーニングと併せてオススメしているオプションの紹介なども行っておりますので、ぜひ参考にご覧ください。
また、PROSHOP HIRAISHIYAでは多くのお客様にネット注文をご利用いただいております。ご自宅でスマホやパソコンから必要な情報をご入力いただきますと、注文完了となります。集荷日時をご指定いただければ、ヤマト運輸さんが、梱包用の段ボールを持参してお客様のご自宅まで引き取りに伺います。当社到着後、作業中の進捗状況等はメールにて都度ご案内させていただいております。また、仕上がり後のダウンもヤマト運輸さんより配送されます。ご自宅で注文から受け取りまでの一連の作業が完結できるシステムとなっております。
PROSHOP HIRAISHIYAの注文後の流れについて、わかりやすく説明させていただいた動画がこちらになります。是非合わせてご覧ください。
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