ダウンの暖かさの単位について
2022.12.28
近代になってまさかの出来事として、戦争勃発があります。日本の近隣の大国が、とある国に攻め入っており、多くの一般人が犠牲になっています。旧来型の争いごとが今更起こるとは、想像できる人は少なかったのではないでしょうか。
戦争の影響は、我が国日本にも影響を及ぼし、身近なところではエネルギー問題に発展しました。電気代が高騰し、寒さを凌ぐのも一苦労です。今回は、防寒着の筆頭、ダウンについて、その暖かさの基準をご紹介します。実は明確な単位があり、定量評価が可能です。
1.ダウンのおさらい
別稿でもご紹介しましたが、皆さんがダウン、ダウンと呼んでいるのは、実際どのようなものでしょうか。暖かい防寒具に使われる素材、ぐらいのイメージかと思いますが、暖かさの単位を知るためにも役立ちますので、念のためおさらいしておきましょう。
1-1.ダウンとは
ダウン(Down)は、ガチョウやアヒルなど、水鳥の羽毛です。陸鳥は擁しておらず、冷たい水から鳥自身を守る、防寒用の羽となります。胸元部分から少しだけ取れる毛であり、形状はタンポポの綿毛のようになっています。何となく暖かそうですね。
柔らかい芯のない形態であり、羽軸がないため、空気をたくさん含む特性があります。たくさん集まることにより、温度を保つ層が生まれ、高い保温効果が得られます。まさに自然界から生み出された、寒さから体を保護する物質であり、人間はその恩恵に与っているといえます。
1-2.ダウンの特徴
他の素材と比べると、採取できる量が少ない分、希少性を持つダウンですが、ジャケットやコート、布団など、わたしたちの身近な洋服、生活用品に多々使われています。ただどうしても、大量に採れる素材ではないため、高額商品となってしまいます。
もちろん、暖かさという点では抜群の効果があるダウンですので、多少値が張っても買い求める人が多く、継続的な人気を博しています。実際は、ダウンだけを使用した製品は型崩れしやすいので、フェザーなどと混合で、製品化されることが多いようです。
2.ダウンの定量評価
ダウンのおさらいを軽くしたところで、次に、定量的な評価についてご説明致します。世間一般では暖かい、暖かいと連呼されていますが、人によっても感じ方が異なりますし、同じダウンでも、商品によって機能が異なります。絶対的な数値で測ることはとても大切です。
2-1.暖かさの単位
長さや厚さにはメートル、重さにはグラムがあるように、ダウンにもきちんとした単位があります。それは「フィルパワー(Fill Power、FP)です。何だか健康ドリングの名前のようですが、この単位のおかげで、暖かさを数値化できています。
フィルパワーとは、羽毛のかさ高性を表しています。膨らみ具合を示す数値であり、ある重さに対してどの程度の体積なのか、という計算で算出されます。前述のように、空気層が保湿性能に直結しますので、体積が増せば増すほど暖かい、というわけです。
2-2.具体的な使われ方
あまり聞きなれない単位ですが、フィルパワーはどのように使われるのでしょうか。例えば600フィルパワーは、30グラムの羽毛が、600立方インチの体積に膨らんでいます。ただ数字だけでいわれても、具体的なボリューム感は、いまいちわかり辛いところです。
わかりやすい例では、高級ダウンのブランドで有名なモンクレールは、800から1000フィルパワーを有する製品を提供しています。1000が最大値とのことですから、保温性能は極めて高いといえます。もちろんお値段も張りますが、暖かさの単位と価格が比例している証左です。
3.ダウンの選び方
ダウンはジャケットに限らず、コートでも布団でも、寒さから体を守る道具である限り、暖かければ暖かいほどよい、即ちフィルパワーが高ければ高いほどよい、と考えがちですが、現実的にはそれほど単純ではありません。
やはり保温性能を求めると、費用が掛かってしまいますし、機能と価格のバランスは考えどころです。また、フィルパワーは体積を表しますので、増せばその分単純にかさばります。持ち運びしやすい、収納に幅を取らない、といった観点も、ダウン選びには重要です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、防寒に最適なダウンついて、その暖かさの単位を中心に解説してまいりました。体感する寒暖差を明瞭な数値化によって判断できるというのは、公平かつ適切です。ダウン選びの際の一つの指標として、ご理解いただければ幸いです。
PROSHOP HIRAISHIYAは、モンクレールのような高性能ダウン製品を取り扱う会社として、良質なクリーニングを承っております。高いフィルパワー値を持つ大切なダウンについて、汚れや質の劣化などにお悩みの方は、ぜひ一度当社までお声がけください。