ダウンの穴・破れの修理について

2022.02.04

PROSHOP HIRAISHIYAでは年間、修理のご依頼だけで1,000着以上を受注しており、99%をお直ししてきた実績があります。その中でも特に多いのが穴の修理です。穴といっても様々な症状がありますので、動画と詳しい内容を記事にしてみましたので一度ご覧になって見てください。

穴開きの動画


モンクレール穴リペア


1.修理方法

修理方法としては基本4パターンとなります。その中身を詳しくご説明させていただくのと、実際に修理事例を見ていただきましょう。

1-1.貼り付け修理

穴の空いている箇所と同じ生地を余っているところから取り、穴の部分に貼り付けて修理する方法です。こちらは同じ生地で行うため、極力目立たなくする方法の一つです。(まれに余っている箇所から取るため、その部分は汚れていないキレイナ状態のため、穴の周りの色と差が出てしまう場合があります)

1-2.かけはぎ修理

かけはぎ修理とは、かけはぎ専属の職人が特殊な技法によって、修理跡をほぼわからなくする特殊な修理方法です。特殊な技法のため、お値段も高額になります。その分、修理跡がわからなく出来ます。しかし、このかけはぎはできる素材とできない素材があります。行いやすい代表の生地としてはウール素材です。他にカナダグースのポリエステルと綿の混紡品も出来ます。

1-3.直接縫う修理(ギザ縫いも含む)

穴が大きいときや、かけはぎが出来ない生地の時等はこちらのお直し方法となります。主に穴や破れが大きい時に行う方法です。穴の空いた箇所と同じ生地を余っている箇所から取り、それを穴にかぶせて縁を縫う方法です。小さい穴の場合はギザ縫いといって布を被せずに、糸でギザギザに縫って塞ぐ方法もこちらの一種になります。

1-4.縫込み修理

穴が端にある場合は縫い込んで穴を隠してしまう方法があります。一度穴の周り全体の糸をほどいて、穴を中に入れて修理跡を全くわからなくすることも可能です。もちろん、穴から羽毛が出ていた場合は縫ってから縫込みいたしますので、後から羽毛が出てくる等はございません。


2.穴の修理事例集

実際に自分の状態を照らし合わせて見てください。この中のどれかになると思われます。


①直接縫う修理

縫う修理

こういった破れの修理もおおく出ます。たとえば、ストーブのそばに置いておいて溶けてしまったとか、はさみで間違って切ってしまったとかです。この直し方は破れの状態、面積、生地、素材によってお直し方法が大きく変わってきます。そのため、料金も大きく変わってきます。それではこちらのお直し後の写真がありますので、お直し後がどうなるかみていただいた方が早いと思いますので、載せます。

リペア跡

これは上記の写真をお直しした跡の写真です。あそこまで生地が破れていると上から貼り付けても取れてしまう可能性があるため、こういった場合は裏地から同じ生地をとって縫込み修理になります。同じ生地なので違和感が無いと思います。元々のデザインかのように縫って返っておしゃれに見えるかとも思います。このように必ずしもまったく一緒に戻すのではなく、どうにもならない場合は一工夫してお直しを行っております。勿論、元に戻すのが最もいいのは承知の上ですが、物理的に難しいものはどうしようもないので、そういった場合はそれを逆手に取って行う方法があります。

②縫い目すれ直し工程(縫込み修理)

こういった少し綿が入っている素材は縫い目の所がこのようにすれて穴のようになってしまうことがあります。こういった場合のお直し方法は一つです。それはその縫い目の部分を縫い込んで隠してしまいます。そうすればまたく修理跡がわからなくなって仕上がります。

修理跡



③袖破れ修理(貼り付け修理)

袖裏部分が破れてしまっています

こちらのお客様のモンクレールダウンはどこかに引っ掛けてしまい、このように穴が開いてしまっております。こういうじょうたいですとお直し方法は一つになります。同じ生地を裏地からとって貼り付け修理となります。裏地から取ったその部分は代替え生地で補填し、表の目立つところを重点的にお直ししていきます。そのため、裏地の部分は一度切って、また違う素材で縫い直して(勿論、裏地といってもめだたない部分からきりとります)行っております。

リペア跡

そして貼り付け完了のmonclerがこちらになります。PROSHOP HIRAISHIYAではこの方法でこういった穴はリペアしております。勿論、すべてのリペアをこうしているというわけではございませんが、今回はこのようなリペア方法が最適かと思いそうさせていただきました。PROSHOP HIRAISHIYAでは必ずしも、穴はこの方法といった決めつけは行わず、当社のリペア担当のものが1点ずつどういった修理方法がいいか検品検討して行っています。そのため、写真だけですべて判断できるわけではなく、実際にみせていただいて肌感や生地、風合いを鑑みてリペア方法をご提案させて頂いております。その際に、ご予算等もありますでしょうから、その際は前もってお金はなるべくかけたくないとかいくらかけてもいいからしっかり直してほしい等をいっていただけるとPROSHOP HIRAISHIYAとしてもやりやすいのでその際はご協力をお願い致します。

④裾破れ修理(縫込み修理)

袖先が擦り切れて中身が出てしまっている

こうなってしまうと中から羽毛が出てくる可能性はありますし、保温性も下がりますし、お直ししたほうがいいと思います。こういった直し方の基本は、袖を少し裾上げして穴の部分を隠してしまうといった方法です。これのいいところは穴の跡が全くわからなくなり、買ったときと同じ状態にお直しすることが可能です。この場合の修理方法は一度袖部分全体をほどいて破れた部分を隠すように上に生地をあげてしまいます。そして、再度縫い直して行います。

こうして完成したのがこちらの状態です。ほぼわからない位になったと思います。このように裾の先端であればあるほど、裾上げすることが可能ですので、キレイにおさまることが多いです。逆にこれが本体の中央とかですとお直しが返って難しくなります。



⑤ウール素材のすり減り修理(縫込み修理)

ウール素材によくあるすり減り(修理前)

モンクレールのモンジュネーブルが代表のようにmonclerダウンにはウール素材が使われているものが数多くあります。中には胴体だけダウンで袖はウールというモンクレールダウンもあります。そのウール素材ですが、弱冠難点がありまして、それはよく擦れる部分が上記のように擦れて穴が出来てしまうといったことです。これはウール素材特有の症状です。こちらのmonclerの場合はたまたま、生地の端の方だったので、中に縫い込んで隠すことが出来、修理跡もまったくわからないように修理可能でした。それでは見ていきましょう。

このようにまったく見分けがつかない感じで修理可能です。


すべて一度穴周辺部分の糸をほどいて、中に縫い込んで修理いたします。これをすることにより中に破れた部分の穴が入って、跡がわからなくなります。こうやって穴の部分はへたに修正しようとすると余計に跡が目立ってしまうので、中に隠せるものは隠した方がキレイに収まります。また、着用中に支障はまったくありませんので、最適なお直し方法となります。




⑥袖口の破れ修理(貼り付け修理)

モンクレールダウン修理前
モンクレールダウン修理後



このように生地の中央部分に穴があいてしまっては貼り付け修理がメインなります。このモンクレールのお直しの場合は、中の目立たない部分から切り取って、貼り付けました。勿論、きりとった部分は中の裏地からそのままとったのではなく、中の裏地のそのまた裏地からとっているので裏地に穴が開くとかではなく、まったくわからない必要ない部分の生地を切り取っているので何も問題はございません。このようにキレイになります。このモンクレールが目立たない原因というのは、同じ生地でねばしてあるからこのように出来ます。これがどこかで売っている赤生地をつけるだけですと、同じ赤でも浮いてしまって、修理跡が余計目立ってしまうということが起こりえます。そのため、PROSHOP HIRAISHIYAではこういた穴は基本、同じ生地を使って修理跡をとことん目立たなくさせて修理することを徹底しております。これが上記でも載せましたが、穴の部分が端っこにある場合は縫い込んでまったくわからなくさせることが出来ますが、このように生地の中央になってしまうと、このような貼り付け修理を行わせて頂いております。


⑦脇のすれ直し(縫込み修理)

脇の部分は擦れやすくこのようになりがちです。
修正後

ウール素材のこちらは脇の部分がどうしても擦れやすくなります。基本的にウールは擦れるとこのような症状が起きやすいため、修理を行う必要があると思います。お直し方法はこのように、縫込み修理となりなり、お直し跡がまったくわからないように修正することが可能です。



⑧袖口擦れ破れリペア(縫込み修理)

修理前

こちらはモンクレールのウール素材で有名なモンジュネーブルの袖口によくありがちなこの症状です。ウール素材は上でもお伝えしましたが、このようにスレが起こりやすいです。こういった症状はカナダグースの袖口にもよく起こりがちですが、モンクレールの特にモンジュネーブルもこのようになってしまうことが多いです。それではこういった場合はどのように仕上げるかというと下記を御覧ください。

修理後

このようにまったく修理跡がわからないようにお直し可能です。この技術は長年のリペア技術職人でないと出来ないことだと思います。こちらはPROSHOP HIRAISHIYAオリジナルの技術でお直ししております。前以上に補強して前以上に破けにくく仕上げております。

⑨穴修理(かけはぎ)

かけはぎ修理とは、かけはぎ専属の職人が特殊な技法によって、修理跡をほぼわからなくする修理方法です。そのため、料金も高額になってきます。しかし、このかけはぎもできる素材とできない素材があるため、そのへんは当社で見させていただいての判断とさせていただきます。例えば、虫食いで開いてしまった穴、ウール素材等は比較的行えます。下記の実例を見ていただき、修理前後を確認いしていただきましょう。

修理前



修理後


このように穴がほぼわからなくなります。これは貼り付け修理よりより高度な方法で、しかも強度は最強というすぐれものです。一度修理を行えば、その部分が再び穴があくということはございません。

料金は、一センチ四方で約16,000円~となります。面積によって変わってきます。

また、上記でも述べましたが、できる素材とできない素材があります。こちらの判断は写真では判別が難しいため、実際に見させていただいて最終の判断とさせていただきます。

⑩破れ直し(貼り付け修理)

こちらはノースフェイスになりますが、このように大きな破れがありました。これはどのダウンでも同じですが、貼り付け修理といって、同じ生地を裏地の必要ない箇所から切り取って、穴の開いた部分に貼り付けるといった作業になります。これが同じ素材でないと修理跡が目立ってしまうため、わざわざ中の裏地から同じ素材を切り取るといったこだわりの修理方法で行っているため、ご覧の通り修理跡がまったくわからなくなっています。まずは御覧ください。


修理前


修理跡

このようにまったくわからなく直せます。上から強力な粘着剤で貼り付けているので、簡単に取れるということはございません。


⑪穴破れ直し(貼り付け修理)


こういった穴の修理はとても多いです。ダウンは一枚の生地で覆われているだけなので、引っかかったり、タバコを付けてしまったり、最悪知らないうちに穴が開いてしまったということはとても多いです。そういったとき、ほおっておくとその部分から羽毛が出てきてしまって保温性の低下などが起こってしまいます。また、その穴が原因で更に広がる可能性もあるので、早めに治すことをおすすめいたします。それではこの場合はどうやってお直しするかということで下記を見ていただきましょう。

モンクレール穴修理前

このように穴が少し空いてしまっていますね。少しでも気になりますし、早めにお直しすることがおすすめですので、御覧ください。↓

モンクレール穴 修理後

このように貼り付け修理になります。同じ生地を裏地からとって、それを穴の部分に特殊貼り付けいたします。簡単に取れないように特殊な液で貼り付けいたしますので市販のような弱さは有りません。こういった穴が開いてしまったらお任せください。




3.穴の修理(大きい編)


モンクレールの穴でこういった大きく穴が開いてしまった場合はどうするかということが気になる方がいらっしゃるかと思います。例えば、モンクレールをストーブのそばに置いてしまって焼けたとかどこかに引っ掛けてなったとか、いつの間にかなったとか様々いらっしゃると思います。こうなったときでも安心してください。PROSHOP HIRAISHIYAでは特殊なお直し方法できれいに元に戻せるんです。では見ていただきましょう。


裾が大きく破れた場合の直し(全体部分移植修理)①

モンクレール修理前



モンクレール修理後

こちらはたまたま同じ生地が裏地もだったので、そこを切り取って穴の部分に移植しました。このようにモンクレールはじめ高級ダウンについては修理方法が色々あります。今回のmonclerはまったくわからないくらいにきれいにできました。その状況によって修理内容もかわってきますが、こういったお困りのものはまずPROSHOP HIRAISHIYAにご相談くださいませ。


裾が大きく破れた場合の直し(全体部分移植修理)②


こちらは上記のmonclerのダウンよりさらにひどい穴があります。このようなダウンもPROSHOP HIRAISHIYAにかかればどうなるか御覧ください。

monclerの修理前


修理後


まったく修理跡がわからないくらいきれいに仕上がったと思います。monclerの修理はPROSHOP HIRAISHIYAにお任せください。



大きな裾の引掛け破れ直し(貼り付け修理)

こちらはモンクレールの背中の部分をどこかで引っ掛けてしまったのですね。このようにベロンとめくれてしまっています。こういったときの対応は貼り付け修理になります。上記にもありましたが、同じ生地が中から取れたら、その穴の部分に貼り付けて修理いたします。治った結果がこちらです。御覧ください。

修理前

修理後

多少、修理跡は目立ってしまいますね。このようにすべてがうまくいくとは限りません。現実を見ていただきたく載せておきます。状態や生地によって直し方が千差万別なのです。きれいに治せるものもあれば、そうならないものもございます。




焼け跡のダウン直し(部分移植修理)


こちらは間違って、袖の部分を焦がして焼けてしまったダウンの状態の修理依頼です。このようになるとどうしようもないですね。それではPROSHOP HIRAISHIYAではこのようなダウンをどう直すのか見ていただきましょう。

修理前

こちらはかなり焦げがひどいですね。人間でもすれたりするとこのように肌がなってしまうことがありますが、衣類も同じようにこんな状態になってしまいます。この状態でほおっておくといずれ破けてしまうので、直すしかないですね。

修理跡

このようにまったくわからないくらいにお直し可能です。



袖の擦れ直し(縫込み修理)


モンクレールのモンジュネーブルの修理模様を見ていただきます。こちらはモンジュネーブルでよくある袖の裏部分の穴です。ウール素材特有のこの症状はどうしても避けて通れないものです。よくすり減るこの部分は穴が起こりやすいです。そのため、縫込み修理で対応可能です。それでは見ていただきましょう。


縫込み修理前

この状態はよくあります。袖先、袖裏がこのように擦れてしまうことが多々あります。これはモンクレールに限らず他の高級ダウンもよくある症状です。それでは修理跡を見ていただきましょう。


修理跡

このように縫込み修理することによりきれいにお直し可能です。これは穴の部分を隠してそのまま縫い込むので最も最適で修理後もしっかり縫われているので再発の恐れがなく、修理跡もわからない方法です。こういった修理はモンクレールに限らずお任せください。